地下ダンジョンで遭遇した魔物を調理して食べてしまうファンタジーグルメ漫画「ダンジョン飯」が話題になっています。
「ダンジョン飯」は、漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)で今年2月に連載スタート。6月現在で第5話まで進行していますが、単行本にはまだなっていません。作者の九井諒子さんは、Web漫画などで頭角を現した人物。ファンタジーをベースにした独特の世界観を持ち、昨年の文化庁メディア芸術祭では、短編集「ひきだしにテラリウム」がマンガ部門優秀賞を受賞しています。
そんな九井さんの初長編が「ダンジョン飯」。大筋は、ドラゴンに食べられてしまった妹を救うため戦士一行がダンジョン深部を目指すというストーリーです。ただし、主人公らは一度全滅しかけたことにより金欠状態に。そこで、魔物を食べながら進むことを決め、魔物料理に詳しいドワーフの助力を得て探検にくりだします。
ダンジョン攻略はRPGのコミカライズ版みたく進行していくのですが、倒した魔物の調理シーンは料理漫画のように本格的です。例えば最新話では、魔物の巨大な肉塊をダンジョンの罠(刃)で分断した後、「大蝙蝠(おおこうもり)の肉は皮を厚めに剥ぎぶつ切りに」「(マンドレイクの)手足部分は色の濃い部分を軽く剥ぐ」「水にバジリスクの卵をとき小麦粉をふるい入れる」など約5ページにわたって解説。そうして出来上がった「マンドレイクのかき揚げと大蝙蝠天」は、ちゃんと美味しそうな料理になっていました。なお、完成品は材料一覧と栄養バランスがセットで描かれます。
ちなみに、パーティーメンバーのうち魔法使い(エルフの少女)は基本的に「魔物を食べたくない」というスタンス。それでも「やだやだ絶対やだ」「いらんわー」など文句を言いながら、いざ空腹に負けて食べてみると「うわっおいしい!」と一変したりします。とても表情豊かなキャラで「とにかくかわい」「萌える」と評判です。
掲載誌の「ハルタ」といえば、「坂本ですが?」や「健全ロボ ダイミダラーOGS」など尖った作品を送りだしたことで知られていますが、また新たなブームを巻き起こす予感がします。
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