ゲームメーカーのニトロプラスが、同人誌やグッズ、フィギュアといった二次創作についてのガイドラインを改定し、その内容に注目が集まっています。ページの最終更新日を見るかぎり、6月2日にはすでに公開されていたようですが、最近になってネットユーザーがこれを発見し、一気に拡散されました。
今回のガイドラインで注目されているのが、「非営利的な二次創作活動」のラインを明確に定めている点。ニトロプラスは基本的に、非営利である限りユーザーの二次創作活動を許容する方針ですが、具体的には次の5項目を満たすものを「非営利活動」と見なしています。
1:創作性があること
2:直接販売であること
3:販売数量の総累計数が200個以内であること
4:売上予定額が小規模(10万円未満)であること
5:その他、絶対的禁止事項に該当しないこと
ポイントは2〜4で、逆に考えれば「委託やオークションなどでの販売はNG」「販売数量が200個を越える場合はNG」「売上予定額が10万円以上の場合もNG」ということ。一部例外もありますが、これを越えた場合は「営利的な二次創作活動」と見なされ、別途法人版権許諾を得る必要があるとのことです(そのほか、詳細についてはガイドラインを参照)。
ネットではこれに対し、「制限があるとは言え二次創作を許容してくれるのはありがたい」「よく考えられたガイドライン」と評価する声もあった一方、「200個以内・10万円未満」という線引きについては「厳しい」「大手サークルはほぼ影響を受ける」と不安がる声も。マンガ配信サイト「Jコミ」代表の赤松健さんも「極めて優れた案」としつつも、それだけに「他社も追随して業界標準になりかねない」とTwitterで懸念を表明。二次創作を認める「同人マーク」を提唱するなど、既存のコミケを守ろうとしていた立場から、「できればこの『勢い』を削がない方向性でのガイドライン設定を各社に望みます」とコメントしていました。
「STEINS;GATE」や「ソニコミ」など人気タイトルも多く抱えている同社だけに、今回のガイドライン改定はさまざまな方面に影響を及ぼしそうです。
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