富士通ソーシアルサイエンスラボラトリは10月23〜26日、DIGITAL CONTENT EXPOで神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 白井研究室が開発したソフトウェア技術「ExPixel」(エクスピクセル)を活用した「多重化・不可視映像」の展示が行われた。「多重化・不可視映像」とは、1つのディスプレイで異なる映像を見ることができるというもの。どういうことなのか、まずは映像をどうぞ。
この映像、ディスプレイにピンクの女の子が描かれた映像(右側)が流れているのだが、偏光グラスを通して見ると青い服を着た女の子の映像(左側)に切り替わる。これを可能にしたのが、白井研究室が開発したソフトウェア技術「ExPixel」だ。
ExPixelは「偏光フィルタ」と「コントラスト圧縮方式」と呼ばれる独自のアルゴリズムによって、複数の裸眼視聴者に対して任意の映像を隠ぺいする技術を採用している。裸眼で青い服を着た女の子の映像が見えなかったのは、このような技術が隠れていたためだ。また、従来実現が難しいとされていた一般に市販されている3Dディスプレイでの利用が可能であることもExPixelの特徴の1つである。
さらに今回の展示ですごいと感じたことは、このようなコンテンツを簡単に制作できてしまうということ。富士通SSLはExPixelとの連携システムを開発し、特別な技術や知識を必要とせずに多重化・不可視コンテンツを作れる仕組みを生みだした。これにより、例えばプレゼンテーションで複数言語に対応した資料を作ったり、プレイヤーごとに異なるゲーム画面の表示させることも容易に実現可能となる。
実際にデモンストレーションを体験すると、しばらく何が起こっているのか分からなくなるほど不思議な体験。まさかこの魔法のようなコンテンツが自分で作れる時代がすぐそこまで来ているとは……! 商品化が待ち遠しい。
(太田智美)
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