ウォール・トーキョーの兵士となり心臓を捧げよ! 「進撃の巨人展」で恐怖と興奮の展示を体感してきたぞ(1/2 ページ)
リアルスケールの超大型巨人も出現。みんな、生きて帰ってこいよ。
11月28日より東京・上野の森美術館で開催される「進撃の巨人展」。これに先立ち、オープニングセレモニーと内覧会が行われました。巨人と遭遇し、闘い、なんとか生還してきた筆者が現在公開可能な情報をこれより壁外におもむく皆さまへお届けします。
ようこそ、”ウォール・トーキョー”へ
上野の森美術館に到着すると入口付近から、なにやらドドドド……と低い音。地響きのようなうなりに混じって、かすかに聞こえるのは――悲鳴。これは入場する前からいやだな〜こわいな〜とドキドキしながら展覧会へ。ほの暗いエントランスを抜け、階段を上りたどり着いた先には「この世界は残酷だ……、そして……とても美しい」と記されたグラフィックバナーが。これから待ち受けている世界への入り口、一体どのような体験が待ち受けているのでしょうか。
シガンシナのとある建物だという壁には現在公開可能な情報が多数掲示されています。そして建物の扉の向こうに案内されると、待っていたのは調査兵団のお姉さん。なにやらピリピリと緊張の面持ちで「早く! 隠れて!」と必死に訴えてくるので、こちらもビクッとなりつつ、テント内の暗がりで息をひそめます。え……何かがどんどんとやってくる気配がするんですけど……。テントの幕の隙間から見えるのは、ギョロリとした巨人の目。見つかってしまった。まずい。巨人の手が我々をかすめるたびに風が体をヒョウッとさらい、もう絶対絶命のピンチ。
「ここは私が食い止める……!」と勇敢にも巨人へ立ち向かうお姉さん。待って! 行かないで!!−−そして残酷な物語が幕を開けるのでした。展覧会開始早々、目を覆いたくなる無慈悲な物語を体験してしまった来場者は一様に「こ、こえぇ……」と漏らすか無言で順路を行きます。原作者・諫山創さんが「本当に嫌な気分になりたい人も、興奮したい人も、是非楽しんで下さい!」とコメントしただけはあります……。進むしかない。進撃、です!
”残酷”で”美しい”原画の数々に浸ろう
「人を喰う」巨人の恐怖を抱く人たちの声であふれた奇妙な壁や捕食シーンのグラフィックやシガンシナの闘い、トロスト区の闘い、そして女型の巨人との闘いにスポットを当てながら進行する原画の展示は見せ方にもこだわりを感じさせます。
赤黒く、おどろおどろしい照明、見る者の心を鼓舞(こぶ)するような色彩が平面世界を飛び越えて心に深くしみ込んでゆきます。諫山創さんの原画の持つ迫力は圧巻の一言。描かれる「恐怖」と「絶望」、そして「人類の希望」を空気とともに吸い込めば原作の世界観を存分に味わうことができます。
公開可能な情報としては、原作でもまだ出てきていない新キャラクターの生原稿も展示されているんですよ……。ふふふ。お楽しみに。
また、ツアー音声ガイドプログラムを聞きながら展示を見て回るのもオススメです。エレンやミカサ、アルミン、リヴァイ、ハンジの会話は撮り下ろし。かなりレアです。ファンなら必聴ですね!
この展覧会の魅力は平面世界だけにとどまらず、映像体験が多く用意されているところでしょう。巨人との戦いの迫力を再現した空間、巨人化したエレンの闘いを原画グラフィックを中心に照明・映像・効果音の演出を加えたプロジェクションライティングに思わず手に汗がじわりとにじみました。さらに立体起動装置を用いた女型の巨人との戦闘を没入感のある映像とともに体感できるコーナーも。巨大樹の森の木々の間を飛びながら巨人たちと戦う感覚にゾワゾワしながらも「駆逐してやる……!」と闘争心が湧いてきました。
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