国際的な環境保護団体グリーンピースが世界遺産“ナスカの地上絵”そばに抗議文を掲示し、その行為に対して批判が高まっています。
12月8日早朝、グリーンピースの活動家12人が「ナスカの地上絵」付近の平原に立ち入り、「TIME FOR CHANGE(今こそ変化を)」との抗議文を掲示。これはペルーで開催中の地球温暖化防止を議論する国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)へ参加する各国の環境相に気候変動対策に対するメッセージを届ける狙いがあったとしています。
なお、グリーンピースは1日にもペルーの世界遺産マチュ・ピチュにて気候変動に対する警鐘を鳴らすためのプロジェクションを行っていました。
これらの行為に対し、ペルー政府は司法当局に処罰を求める方針であることを発表したことが報道されています。地上絵一帯は現在立ち入りが禁じられています。
一方、グリーンピース側は「気候変動に対する解決の糸口を見つけられなければ、このような貴重なナスカの地上絵も未来に残すことができなくなります。グリーンピースは、このナスカの地上絵はもちろん、自然エネルギーでまかなえる持続可能な未来を残したいと考えています」と声明を出したほか、「この活動は、考古学者の監督のもと4カ月の準備を経て進められました。当日も考古学者が同行し、グリーンピースのスタッフは遺跡に跡を残さないよう、指導を受けながら慎重に行いました。今回の活動で、ナスカの地上絵には一切触れていません」と“ナスカの地上絵”への直接的な干渉を否定しました。
しかし多くの批判を受け、グリーンピース・インターナショナル本部は、ペルーのリマにて現地時間の12月10日、「とても申し訳なく思う」「いかなる調査にも全面的に協力する」との謝罪文を発表。グリーンピースの代表が今週にもペルー入りし、過度な抗議活動への謝罪をペルー政府に行う予定としています。
(高城歩)
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