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東京大学、「軍事研究を解禁」の報道でコメント 「軍事研究禁止の方針は変わらず」

研究不正対策の一環としてガイドラインを改定したとしています。

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 東京大学が軍事研究を解禁した、と一部メディアが報じています。同校は1月16日に「東京大学における軍事研究の禁止について」とする文書を発表しました。

 東京大学では第二次世界大戦の反省をふまえ軍事研究を禁止しており、2011年に出された情報理工学系研究科のガイドラインにも、そのことを記載していました。しかし、2014年12月にガイドラインを改訂。「多くの研究には、軍事利用・平和利用」される可能性があり、「学問研究の両義性を深く意識しながら、個々の研究を進める」と書き換えています。「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究は行わない」と歯止めをかけてはいますが、軍事目的にも利用可能な技術(デュアルユーステクノロジー)の研究をある程度容認した、と報道されました。


画像 東京大学サイト内で、「東京大学における軍事研究の禁止について」を発表

 その後、東京大学は「東京大学における軍事研究の禁止について」という文書をWeb上に公開。軍事研究の禁止は「東京大学の教育研究のもっとも重要な基本原則の一つ」としつつ、個々の場面での適切なデュアル・ユースのあり方を議論し対応していくことが必要としています。

 東京大学広報課に取材したところ、報道のきっかけとなったガイドラインの改定は、最近問題になっている研究不正対策の一環として行われたもの。研究成果が軍事目的に利用されないように、よく注意する必要がある旨を学生向けに分かりやすく書き直しただけであり、軍事研究を禁止する方針は変わっていないとコメントしています。

マッハ・キショ松

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