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「幻のサメ」の異名を持つメガマウスザメの歯の化石が、沖縄県の新生代新第三期の地層(約1000万年前〜300万年前)から発見されました。メガマウスザメの化石はアジア地域では初めて。新生代後期には世界的にメガマウスザメが分布していたことを明らかにする貴重な発見となります。めでたい。
メガマウスザメとは、1976年に見つかった全長6メートルのサメ。その大きさと奇妙な姿からシーラカンスと並ぶ20世紀最大の魚類学的発見と言われています。現代では全世界の熱帯から温帯の海にかけて生息していると推測され、目撃例・捕獲例が極めて少ないことから「幻のサメ」とも。ジンベエザメ、ウバザメと並ぶ数少ないプランクトン食のサメですが、実際の遊泳生態や摂餌生態は未だに確認されていないそうです。
現生のメガマウスザメの発見例は約8割がアジア地域(日本、台湾、フィリピンなど)に集中。一方で、なぜか化石の発見例はアジア地域からほとんどなく、北米とヨーロッパの新生代の地層が中心だったため、その進化の過程は謎に包まれていました。ところが今回沖縄で化石が発見されたことによって、早くとも新生代後期にはアジアにも生息していたことが判明。メガマウスザメはちゃんと古代から世界中にいたんだ!
発見したのは沖縄美ら島財団(沖縄県本部町)で研究を行っている冨田武照さんらの研究グループ。化石は1センチほどの小さいサメの歯のもので、古い時代の化石と比較したところ、現生のメガマウスザメに近い特徴を持つことも明らかになりました。この歯の形の変遷を追うことで、謎に満ちたメガマウスザメの進化の歴史の解明につながるそうです。
(黒木貴啓)
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