東方同人ゲーム「幻想の輪舞」権利侵害から一転正式ライセンスへ グレフの“神対応”裏には家庭用ゲーム不振
もとはグレフの「旋光の輪舞」のゲームシステムをそのまま踏襲した二次創作ゲームでした。
グレフおよびメディアスケープは1月28日、メディアスケープがPlayStation Vitaおよびプレイステーション 4で発売を予定していた「幻想の輪舞」について、正式にライセンス許諾契約を結んだと発表しました。
「幻想の輪舞」は、一言で言えばグレフの「旋光の輪舞」を下敷きにした「東方Project」の二次創作ゲーム。グレフ側はこれまで「同人でそっくりなゲームがある」という事実は確認しつつも“黙認”というスタンスをとってきましたが、メディアスケープがPS Vita用にカスタムテーマを有料で配信開始したため、「商業でやるなら話は別」と商標権ならびに著作権侵害について通告。その後両社の話し合いの結果、すでにリリース済みだったPC版を廃盤とすることを条件に、正式にライセンス契約を結ぶということで話がまとまったようです。
本来であれば商標権・著作権の侵害で訴訟沙汰になってもおかしくなかったことを考えると、グレフ側の対応はかなり寛大と言えます。ニュースリリース内ではこのような対応に至った理由として、「メディアスケープ側の誠意ある対応」と、同人ゲームをプレイステーション向けに移植・販売していく「『Play,Doujin!』という企画コンセプトへの賛同」を挙げています。
また、グレフの公式ブログでは今回の件への補足として、「昨今の家庭用ソフト市場への危機感」も大きな理由としてあったことを挙げています。
それによると、ここ数年の家庭用ソフト市場は非常に厳しい状況にあり、周囲の中小ゲームメーカーの多くは家庭用ゲーム開発を事実上断念、また10年前にはアーケードゲームに憧れて入社を希望する学生もいましたが、ここ数年はそれもなく、家庭用ゲームもおそらくあと5〜6年で同じ状況に陥るのでは――とのこと。こうした背景から、アマチュアまたはセミプロ開発者の登竜門として「Play,Doujin!」には大きな意義がある、との判断から今回の対応に至ったと説明しています。
問題になっていたPS Vita用「幻想の輪舞」テーマは現在、配信停止中ですが、今後若干の修正を行った上で後日配信再開予定とのこと。また今後発売予定のPS Vitaおよびプレイステーション 4版「幻想の輪舞」については、上記のとおり「旋光の輪舞」の正式ライセンス作品としてリリースされる形となります。
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