応援したい自治体に寄付すると地域の特産品が「お返し」としてもらえる「ふるさと納税」。各自治体がお返しのラインアップに食べ物や工芸品をそろえるなか、香川県東かがわ市はカブトムシやクワガタを届けるコースを用意しています。え、ふるさと納税ってこんなものまでもらえるの!?
9000円以上だと「コーカサスオオカブト」、1万8000円以上だとや「スマトラオオヒラクワガタ」など、カブトムシ・クワガタがもらえるコースは計7種類となかなか豊富。4万5000円以上では世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオカブト」の全長145ミリ前後のオスなんてものも選べます。所得税と住民税の一部を控除しながら外国原産の昆虫も集められるとはユニーク。
東かがわ市はほかにも金魚の一種「日本オランダ獅子頭」を送るコースも用意。そもそもふるさと納税で生き物がもらえるコースは珍しく、現時点で約1万4000種類中14種類だけ。そのうち13種類が東かがわ市によるものと、ふるさと納税で同市は生き物をお返しする自治体として特異な存在のようです。
じゃあ東かがわ市はカブトムシやクワガタ、金魚が有名な街なのかとおもいきや、実はそうでもないんです。東かがわ市の主な名産品は、手袋とハマチ、伝統製法で作る砂糖「和三盆」。公式サイトや観光サイトも特産品として昆虫や金魚には特に触れていません。ふるさと納税のコースにこれらが並んでいるのはなんとも不思議。
なぜカブトムシたちをお返しに用意したのか市の担当者に尋ねたところ、由縁は同市・引田の観光拠点「讃州井筒屋敷」にあるとのこと。
井筒屋敷は江戸時代に建てられたしょうゆ屋の母屋を使った市営施設で、市のさまざまなイベントが開かれます。そこではクワガタやカブトムシを対決させる「クワガタ相撲」を年に4回ほど、「日本オランダ獅子頭」の全国品評会を年1回開催。このつながりからそれぞれの主催である昆虫ショップ「カブクワやまと」と「日本オランダ獅子頭愛好会」会長へ市が協力を依頼し、ふるさと納税のコースに生き物たちを提供してもらっているそうです。
一見不自然なカブトムシも金魚も、元をたどれば東かがわ市民の活動から生まれたものでした。一つの“ふるさと”を奥深くまで教えてくれる、お返しの品々です。
(黒木貴啓)
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