「仏壇」というと重くて高いというイメージで、オシャレとは無縁のものだし、そこにファッション性を求めたことは一度もなかったのですが、どうもそんな考えは時代遅れのようです。
こちらは可動式のおしゃれすぎる仏壇(八木研/移動仏壇ムルナウ)。「仏壇は動かないもの」という概念を覆しています。
このように、家族が集うリビングなど、シーンに応じて自由に移動できるので、仏壇がもっと身近になります。
最近の仏壇はキャッチコピーも洗練されています。「魅せる仏壇でコーディネート」や「祈りのステージは次世代へ」など、まるでファッション誌のようなステキなうたい文句に、仏壇そのものへの印象も180度変わりそう……。
ちなみに可動式のこの仏壇は、扉を開いて写真や位牌(いはい)を置き、下の台の部分には花が生けられるようになっています。従来は重くて高価な真ちゅうという銅と亜鉛の合金素材が一般的でしたが、こちらは木の無垢材(合板ではなく、使用する形状で丸太からそのまま切り出した木材)が使われており、家の中のインテリアとして自然と溶け込みます。
これまでの概念を覆す「進化する仏壇」。他にも、場所を取らないスタイリッシュな壁掛けタイプなどは、マンション住まいなどが多い若い世代を中心に注目を集めているようです。こちらは、現代仏壇クラウドライト(税込54万円)。究極の薄型壁掛け仏壇で、7枚の棚を好みの位置に自由にセットできます。
こちらはまるで飾り棚にしか見えないLEDライト付きの仏壇です(現代仏壇/クランクプラス 税込43万2000円)。
衣類収納と仏壇が一体化した新スタイルの仏壇も。マンションなどで仏間のない家庭に人気かも(ディノス/おしゃれに収納&さりげなく仏壇チェスト 税込5万1732円)
畳からフローリング、和風から洋風へと、若い世代を中心に変化する日本人の生活スタイル。今回紹介した「イマドキの仏壇」も、私たちの生活とともに柔軟に進化を遂げています。生活に自然に溶け込むことで、大切な故人をより身近に感じられるかもしれません。
(青山ゆずこ)
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仏壇界も現代文化とフュージョンしてきているようです。