大正7年(1918年)に豪商齋藤家の四代齋藤喜十郎氏が別荘として造った「旧齋藤家別邸」。砂丘地形を利用した回遊式の庭園と、近代和風建築の開放的な建物として文化施設として毎年約4万人が来館するといいます。
その旧齋藤家別邸のホームページで「『ねこあつめ』の日本庭園を真面目に鑑賞する」というエントリーが、4月10日午後5時ごろに投稿されました。ね、ねこあつめ!!?
「ねこあつめ」といえば、お庭におもちゃやエサを置いてねこが来るのを待つという、今大人気のスマホゲーム。エントリーでは、「この座敷の最大のポイントは『角の柱が一本無い』ことで、非常に開放的な造りになるように見せていることです。旧齋藤家別邸も柱を極力減らし、庭園と建物の一体感を重視した造りですが、それどころではない一体感で、施工した棟梁の技と大胆さに脱帽です」などと、ゲームの中に描かれている庭園と旧齋藤家別邸の庭園とを比較し解説しています。
また、広く平らな飛び石についても「平らな石はまさしく、渡るための飛び石のひとつでしょう。もし景石としてなら、もう少しこじんまりとしていて水の上に造形を見せる石のほうがおさまりが良さそうです。こういったことからも、この庭園は皆さんが立っている側に広がっていることが推測されます」と解説。どうやら「ねこあつめ」は、ゲームをプレイする私たちの世界に向けて庭園を広げた造りになっているようです。深い……。
なお、松の枝がこんもりとしていることから「このお庭はきっと雪の無い地方なのでしょう」と推測。雪の降る地域では、雪が溜まらないように少し隙間をとるような枝の切り方をするのだそうです。
この記事を書いた旧齋藤家別邸の案内役 横木剛氏に解説しようと思った理由を尋ねてみると、こんな答えが返ってきました。――「普段私は、いらしてくださったお客さんへの案内をしています。私がお客さんを案内するとき、庭師やお屋敷を造った人の気持ちや視点からなるべく説明するようにしています。そうやって庭園を見ると、おもしろいんです。だから『ねこあつめ』の庭園も、それと同じように解説してみようと思いました」(横木氏)
(太田智美)
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