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辻村深月さん原作小説のドラマ化中止めぐる訴訟でNHK敗訴 講談社側が見解を発表

東京地裁はNHK敗訴の判決を言い渡しました。

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 作家・辻村深月さんの小説「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」のドラマ化許諾が撮影直前に撤回され、NHKが講談社に約6000万円の損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁はNHKに敗訴の判決を言い渡しました。この件で講談社側が4月28日、公式サイトで見解を発表しています。


画像 辻村深月さんの小説「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」(講談社特設ページより)

 ドラマは2012年に放送予定だったものの、脚本を見た辻村さんと講談社が「容認しがたい改変がなされている」として映像化許諾を撤回しました。NHKは制作準備にかかわる費用を求めて講談社を提訴。

 講談社側は、NHKは作品のテーマを理解しないまま、一方的な判断でクランクイン予定日などの製作準備を進めており、辻村さんおよび講談社が許容できる脚本を提示しなかったことがドラマ化許諾撤回の理由としています。

 さらに、原作者や講談社が脚本を確認する段取りについて、NHK幹部が裁判の中で「検閲」と表現したことで、「作品は原作者のものであり、作家の意志を尊重せずに作品を一方的に改変したドラマが制作されることはあってはならないという立場に立つ弊社としては、この幹部の発言は到底受け入れがたく、見識を疑わざるを得ません」とコメント。

 辻村さんは「作家として、自分の作品が不本意な形でドラマ化されることはどうしても許容できませんでした。原作を守ろうとした講談社が訴えられるという今回の裁判には、いまも大変戸惑いを覚えています。これからも皆さんに愛していただける作品を執筆していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」と述べています。

高城歩

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