advertisement
中国・検索大手の「baidu(百度)」は、人工知能(AI)に関する性能テストの結果がグーグルの持つ世界記録を上回ったと発表した論文について、ミスがあったとして謝罪、注釈を付けるなどの修正を行った。
baiduが行ったテストは、ソフトウェア会社のIMAGENetの画像認識テスト。誤認識率の低さを評価するもので、テストに慣れた人間が約5%なのに対して、Googleのソフトは4.8%を下回り、Microsoftも4.94%という人間を上回る性能を記録していた。百度は論文で4.58%と発表し、Googleを抜いたとされていたが、テスト回数に問題があった。
テストでは、回数を増やすことでソフトがテストに慣れて誤認識率が下がって有利になるため、回数が厳密に定められていた。baiduは、この規定回数を大幅に上回る回数のテストを行ったと指摘され、今回の謝罪と論文の一部に注釈を追記するなどの修正を迫られた。
baiduがテストに挑んだのは、北京にある独自開発のスーパーコンピュータ「Minwa」。脳の神経回路をモデルにした「ニューラルネットワーク」でデータを処理する「ディープラーニング(深層学習)」の手法をとっていた。
各社の記録は、Microsoftが2015年2月に初めて人間の画像認識能力を上回る結果を記録し、そのわずか1カ月後にGoogleが記録を更新したばかり。今後も各社のし烈な競争が進んでいきそうだ。
(林健太)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Baidu IME / Simejiのログ送信問題にバイドゥがコメント 「無断送信はしておりません」
「ユーザーの入力情報を無断で中国のサーバーに送信している」は「誤解を生じる報道」と説明。 - PC DEPOT、バイドゥのIMEに関するPC、タブレットの無料点検を開始
バイドゥのIMEが入力内容を外部に送信しているという報道を受け、PC DEPOTがPCやタブレットの無料点検サービスをスタート。 - 百度「Simejiのバグでログ情報が送信」 修正版をリリースへ
実装バグにより、Simejiのログ情報の送信機能がオフになっていても、一部のデータが送信されていたと百度は認めている。 - 百度の「Baidu IME」「Simeji」が入力情報を無断で送信 セキュリティ会社が指摘
セキュリティ会社のネットエージェントが、百度が提供する日本語変換ソフト「Baidu IME」「Simeji」が文字入力のログを無断で送信していると指摘しています。 - ニコニコ超会議2:本物のしめじに映像を投映! バイドゥの美しすぎる「しめじェクションマッピング」を見てきた
長野県産のしめじが使われているらしい。 - 世界初? しめじに映像を投影する「しめじェクションマッピング」が超会議に登場
バイドゥのAndroid向け日本語入力アプリ「Simeji」のブースで公開。 - 「何も聞いてなかった」――Baidu.comの尖閣ロゴに日本法人は困惑
現在は中国側に経緯を確認中とのこと。 - Baidu(百度)ロゴが尖閣諸島に 「釣魚島は中国のもの」
専用のページもオープンしています。 - Baidu IMEは何処へ向かうのか 「2012年秋アニメ辞書」提供開始
またまたやってくれました。 - ニコニコ超会議:夢は宇宙からネギ振り生中継! ミク搭載の衛星を打ち上げる「SOMESAT」
初音ミク搭載の衛星で「宇宙ネギ振り」を目指す「SOMESAT」プロジェクトをニコニコ超会議で見てきた。