「ハリポタ」ダンブルドアと「LotR」ガンダルフが結婚式――きっかけはJ・K・ローリングさんのTwitter議論
結婚式の主催者は、「ハリー・ポッター」作者のJ・K・ローリングさんと、同性愛に反対する教会の議論から着想を得たとしています。
「ハリー・ポッター」のダンブルドア校長と、「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフ。作品を超えた、偉大な魔法使い同士の結婚式が6月7日に米カンザス州で行われました。
ダンブルドアが同性愛者であることは、ハリー・ポッターの作者J・K・ローリングさんは2007年に明かしています。ガンダルフは原作では同性愛者との設定はありませんが、映画でガンダルフ役を演じたイアン・マッケランさんが同性愛者であることをカミングアウトしています。
もちろん2人とも物語上の人物なので、実際には2人に扮(ふん)した地元の俳優が登場。その様子は会場となった「Equality House」のTwitterなどに投稿されています。Equality Houseは、この結婚式の主催者で、平等や環境保護に関する活動をしている非営利団体Planting Peaceが運営する施設。LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の活動シンボルとして知られる「虹」色に塗られた建物です。
Planting Peaceがこの結婚式を企画したきっかけは、ローリングさんのTwitterでの議論を目にしたことだったそうです。議論が起きたのは、アイルランドで同性婚合法化が決定した(関連記事)ときのこと。ローリングさんはネットに出回っている「ダンブルドアとガンダルフがゲイでも構うものか」と書かれたコラ画像とともに、「アイルランドでは2人が結婚できる!」とTwitterに投稿しました。
これに対して同性愛に反対するウエストボロ・バプティスト教会(米カンザス州)が「J・K・ローリングはダンブルドアとガンダルフをアイルランドで結婚させたがっている。もしそうなったらWBC(ウエストボロ・バプティスト教会)はピケを張る」とリプライ。ローリングさんは「こんな場所でこんな結婚が実現したら、そのすばらしさであなたの偏見も吹き飛ぶでしょう」と反撃します。
このやりとりから着想を得て、Planting Peaceは結婚式を企画。同団体のEquality Houseは、WBCの向かいにあるからです。
同団体は「この魔法の結婚式が、偏見に脅かされてもヘイトに立ち向かうよう人々を励まし、すべてのLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア*)の若者に、君たちは愛されて大切にされているのだと伝えるメッセージになることを望む」とコメント。オンライン寄付のページも設けており、WBCのような団体に反論するための支援を「結婚祝い」として寄付するよう呼びかけています。
ちなみに結婚式当日、WBCは会場には現れず、いつもより多く看板を立てていたとのこと。WBCはピケを張るには看板があれば十分としています。
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