中吊り広告を、サメが食い破っている……! 水族館「海遊館」(大阪府大阪市)による特別展「シャークワールド」の告知ポスターが斬新だとTwitterで注目を集めています。
同展の中吊り広告に載っているサメの写真が、その広告用紙の端を噛んで引き裂いているというデザイン。裂けた部分が実際に用紙からごっそり欠けていて、本当に食い破られているようなだまし絵になっています。キャッチコピーや説明文も書かれてあるのですが、裂けた部分は消えて読めなくなってしまっているのがリアル。長方形でおなじみの中吊り広告がこのように変形していたら凝視してしまうというものです。
「シャークワールド」は7月17日から2016年5月28日まで開催される、サメの“捕食”をテーマにした特別展。エントランスが巨大サメによってボロボロにされたケージで作られていたり、水槽内でサメがエサを食べる様子をカメラでライブ撮影できたりと、何でも食べてしまうサメの生態が体感できる内容になっています。
“捕食”ということで、「ポスターのサメがポスターそのものを食べてしまっているビジュアルが面白いのではないかと思った」と、デザインを担当した電通関西支社アートディレクターの市野護さん。
「トムソン(型抜き)のビジュアルで、本当にサメが紙を食べてしまっているかのように見えるだまし絵的表現にトライしました。裏表でホホジロザメとシュモクザメと食い破っているサメの種類を分けて、見た人が両面とも楽しめるようにしています。サメの荒々しいイメージを、うまくショッキングに表現できたのでは」(市野さん)
2014年春は同じく海遊館が開催した「体感!熱帯雨林」展のポスターとして、ナマケモノが電車内にぶら下がっているように見えるというナマケモノ型の中吊り広告を制作しました。SNSなどで拡散されて話題を生み、今年も同じようにということで「シャークワールド」展の依頼を受けたとのこと。サメの広告は、乗客がTwitterに投稿した写真が約1万回リツイートされるなど、今回も大勢の目を引いているようです。
JR東日本の山手線の新型車両では広告が映像パネルに統一されるように、中吊り広告の存在が消えつつある日本の電車。中吊りを食べてしまうサメは、アナログの利点をうまく使いながらSNSによる情報の拡散力も視野に入れた、広告デザインの好例といえるでしょう。ユニークな捕食の姿は、大阪市営地下鉄・御堂筋線に乗り入れている北大阪急行電鉄・北大阪急行線の車両で見られます。
(黒木貴啓)
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