「88人の演奏者がそれぞれ1本の指で、1台のピアノの88鍵を同時に弾く」という、物理的に困難な演奏に挑む楽曲「奇跡」の世界初演コンサートが、10月2日に東京・港区の草月ホールで行われます。
「奇跡」は音楽家の灰野敬二さんが、実験音楽家のジョン・ケージさんの有名な音楽作品「4分33秒」「0分00秒」に対抗して作曲。「4分33秒」は楽譜に「第一楽章 休止/第二楽章 休止/第三楽章 休止」とだけ示された、無音が4分33秒間ずっと続くという曲。「0分00秒」はその続編となる、楽譜に「最大限の音響的増幅(フィードバックが起こらない範囲で)が施された状況で、習熟した行為を行なうこと」とだけある曲です。
ピアノの鍵盤部分の横幅はおよそ120センチ。そこに88人の人間が集まり、全員が一本づつ指を出して鍵盤を押すというのは物理的に不可能のように思えます。そこで、建設現場での労働経験があり、そこから発想を得たパフォーマンス「搬入プロジェクト」で多数の実績もある演出家・危口統之さんがサポート。ピアノの周囲に足場などを組み上げることで、88人が鍵盤を同時押しできるように設計します。
公式サイトで公開されている「『奇跡』実現可能性検証」動画では、灰野さんと危口さんを中心に、「奇跡」を実現するため実際にピアノの下にもぐったり、ピアノの上に乗ったり、長机を積んで段にしてみたりと試行錯誤を繰り返す様子が映っています。なんだかすごく楽しそうです。
今回の公演は、音と音楽への反時代的アプローチを紹介するフェスティバル「Sound Live Tokyo 2015」のプログラムの1つとして開催。開場が19時、開演が19時30分。チケットは前売2500円、当日3000円で、8月29日にPeatixで発売されます。
危口さんの計算では「奇跡」が起こる確率は五分五分とのこと。会場で奇跡の瞬間を目にしてみませんか?
(qeeree)
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