赤肉・加工肉の発がんリスクについて、国立がん研究センターが見解 「日本人には影響ないか、あっても小さい」
「今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はない」ともコメントしています。
世界保健機関(WHO)が10月26日に、ハムやソーセージなどの加工肉を、発がん性基準「グループ1(人に対する発がん性がある)」に分類したのを受け(関連記事)、国立がん研究センターが10月29日、「平均的な日本人には影響がないか、あっても小さい」とする見解を発表しました。
今回のWHOの発表では、加工肉のほかに、牛肉や豚肉・羊などの「赤肉」についても「グループ2A(人に対する発がん性がおそらくある)」に分類しています。ただし「グループ1」や「グループ2A」に分類されていても、実際のリスクについては摂取量などによって大きく変わってきます。
国立がん研究センターによると、日本人の赤肉・加工肉の摂取量は1日あたり63グラム(うち、赤肉は50グラム、加工肉は13グラム)で、これは世界的に見ても非常に少ない部類とのこと。同センターでも2011年に日本人を対象に赤肉・加工肉と大腸がん罹患リスクについての調査を行っており、その結果、摂取量の多かったグループでは発がんリスクの上昇がみられたものの、大半のグループでは影響がみられなかったことから、「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言えます」とコメントしています。
とは言え、大量に摂取した場合に発がんリスクが高まる、という点についてはどちらの見解も一致しており、同センターも「欧米でも多いとされる量の摂取であればリスクを上げる可能性は高いと思われます」とコメント。ただ、赤肉は栄養価も高く、また摂取量が少なすぎると今度は脳卒中のリスクを高めることが分かっており、「総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はないと言えるでしょう」と、適切な量を摂取するのが重要であると呼びかけています。
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