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WHOが「ジカ熱」の緊急事態宣言、エボラ出血熱以来 小頭症やギランバレー症候群との関連性疑われる

流行中のブラジルから、リオデジャネイロ五輪を通して世界的に広がる恐れが。

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 2月1日に世界保健機関(WHO)は緊急委員会を開き、南米・中南米で流行しているジカウイルスの感染症「ジカ熱」について、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」を宣言しました。2014年のエボラ出血熱流行時以来の緊急事態宣言となります。


 「ジカ熱」はジカウイルスによる、蚊を媒介とした感染症。発症者は主として軽度の発熱(38.5度未満)、頭痛、関節痛、筋肉痛、疲労感などが見られ、一般的にはデング熱より軽症といわれています。しかし妊婦に感染した場合、頭が小さい「小頭症」の新生児が生まれることが「強く疑われる」ほか、四肢に麻痺を引き起こす「ギランバレー症候群」との関連性が疑われています。今のところ特有な薬やワクチンは存在せず、蚊に刺されないことが唯一の予防方法です。

 2007年にミクロネシア連邦のヤップ島で流行してから地理的拡大を見せており、2015年からブラジルおよびコロンビアを含む南米大陸で流行。2016年8・9月にはリオデジャネイロでオリンピックとパラリンピックが開催されることから、世界各地からの渡航者によってパンデミックが起こらないか危惧されています。

 WHOは1日、18人の専門家の報告に基づいて宣言を決定。ジカウイルスの伝搬やその危険性が見られる地域において、小頭症およびギランバレー症候群の調査を標準化・強化し、両者の因果関係を研究すると発表しました。さらに予防的措置として、ワクチンや治療法、診断法を研究開発する一方、流行地域への渡航者へ注意喚起しています。

ジカ熱 厚生労働省も対応を発表

 外務省は1月26日から妊娠中または妊娠を予定している人へ、「ジカ熱」の流行国への渡航・滞在を可能な限り控えるよう注意を呼びかけています。また厚生労働省もWHOの宣言を受け、2月2日に日本の対応を発表。自治体および検疫所における検査体制の整備するほか、治療・予防法の研究開発を進めるなど、「ジカ熱」への対策を国際的に足並みそろえて実施していくようです。

黒木貴啓


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