「ライターと連絡が取れない」とする架空の捜索記事でインサイドが謝罪 ステマではないかとの疑惑に「広告の出稿はない」と編集長明言
「内川たまき氏と連絡可能な方を探しています」とする第三者の善意を利用し騒動に。実は「内川たまき」はゲームに登場するキャラクターだった。
ゲーム情報サイト「インサイド」が6月1日、編集部名義で掲載した「フリーライター内川たまき氏と連絡可能な方を探しています」という記事が物議をかもしている。
記事はフリューのPS Vitaソフト「Caligula -カリギュラ-」の特集記事を寄稿したライターとの連絡が取れなくなったので探しているという内容。安否を心配する声とともに広告なのではないかと疑問視する声も広がり騒ぎが大きくなると、内川たまきなるライターは存在せず企画記事の一環だったと釈明した。
記事は「独自に作成したもの」であり、「お客様に誤解を与え、ご不快に思われる表現がありましたことをお詫び申し上げます。記事は取り下げさせていただきます」と謝罪した。掲載されてから約2時間後のことだった。なお、インサイドの公式Twitterアカウントからも投稿されていた(現在削除済み)。
誤解を与えたとする記事には広告や架空の内容だとする記述は一切なく、現在は削除されているが内川たまき名義の特集記事へのリンクもあった。掲載後すぐに知っている人がいないかと呼びかける“善意”の拡散が続いたこともあり、ネットでは安否をネタにしたことや、第三者の善意を悪用したことに対する非難が声が上がっている。
企画記事は「独自に作成したもの」とあるが、本当は広告だったのではないだろうか? ネットでは「カリギュラ」の発売元であるフリューのステマだったのではないかとの疑惑がささやかれている。ねとらぼの取材に対してインサイド編集長・土本学氏は「今回の件に関してフリューから広告の出稿はございません」と明言。あくまでも独自記事だったと強調した。
インサイドは13時40分に新たに「本日のインサイド掲載記事についてのお詫びとご報告」と題する記事を掲載。
記事は「カリギュラ」の内容と連動した形をとっており、「内川たまき」はゲーム内キャラクターであったと説明している。本来ならば紹介記事(掲載済み)に続く第2弾として「内川たまき」がゲームに取り込まれて失踪、第3弾以降でゲームプレイしながら「内川たまき」を探していくという流れを予定していた。
今回誤解を与えた記事では、「内川たまき」がゲームキャラクターであるという説明や企画そのものがフィクションであるとする旨を記載しておらず、フリューにも確認をしていなかったと改めて謝罪している。
追記(19時)
フリューへの取材に同社の担当者は、第1弾の記事が掲載される際には報告もあり、「連動企画となることは知っていたが詳しくは知らなかった」と回答。「今回の件は弊社としてもインサイドが掲載した事項がすべて」として「金銭の授受はもちろん、広告代理店などを通しての企画でもないし、なにかしらのバーターでもない」とコメントした。対応については今後社内で検討してから決めたいとしている。
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