国民生活センターは6月23日、過去5年間で男性から寄せられた美容医療サービスの相談2131件のうち、半数以上となる1092件が包茎手術に関する相談だったことを発表しました。術後に後遺症が生じたり、広告よりも費用が高額だったりと、さまざまな事例をあげて消費者に注意を呼びかけています。
相談は5年で大きな減少はなく、年代別で見ると20歳代が646件と全体の約6割でした。術後の危害事例では痛み、腫れなどが多く、なかには施術部分が裂けた、出血が続く、組織が壊死(えし)していたという症状のほか、勃起や射精に支障をきたす性機能障害や排尿障害の例もありました。過去3年に手術を経験した消費者150人へのアンケートによると、約4割が施術後に何らかの不安・不満、不具合を感じているそうです。
広告を見て受診しにいったところ、即日で契約・施術を迫られる事例も多く見られるとのこと。効果や必要性の説明を十分に受けずに不要な施術を追加している場合や、保険診療のつもりで自由診療だった場合もあり、手術費用が100万円を超えるケースもありました。病院に行く前に予想していた費用額は5万円超〜10万円以下、実際の契約購入金額は50万円超〜100万円以下がそれぞれ最多でした。
具体的な相談事例は、「広告では、7万円〜10万円とのことだった。クリニックで10万円くらいの手術を受けたい旨を伝えたところ、安い手術だと汚い仕上がりになると言われ、高い手術方法を勧められ総額約80万円の契約で、即日手術となった。2週間経つが術後の傷口がぱっくり割れてしまい、また、引きつれ感があり、陰茎部分が何も感じなくなってしまった」など。ほか6件が公式サイトでは紹介されています。
国民生活センターは医師からのアドバイスとして、仮性包茎では多くの場合が清潔にしていれば問題はなく、「緊急性のない施術に対し、医療機関を受診したその日に施術を受けるのはやめ、医者の説明、内容、金額に納得できたかを検討」するよう注意喚起。また包茎手術の広告には医療機関ホームページガイドラインに抵触する表現がよく見られるため、広告の情報を鵜呑み(うのみ)にせず情報を集めるよう呼びかけています。
(黒木貴啓)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「募金」を押したらアダルトサイトへ 熊本地震に便乗したメールなどに国民生活センターが注意喚起
Twitterでも報告されています。 - 失禁尿の吸収うたう「失禁パンツ」に国民生活センター「過信は禁物」と注意呼びかけ
実験した12銘柄のなかには、許容量未満で尿がしみ出したものも多かったようです。 - 「余った腕時計タダであげるよ」→昔からよくある詐欺なので注意
国民生活センターも警告を出しています。 - 国民生活センター、絶対に入ってはいけない「ぼったくりバー」に注意喚起
楽しい気分が一転、高額請求される。 - 液体の入ったスマホケースでやけど 国民生活センターが注意喚起
見た目はかわいいけど、十分注意が必要です。 - 鬼才現る:我ながらひどいと思います――人気主婦ブロガー「まんしゅうきつこ」さんの正体
ようこそ、斜め上を行くワンダーランドへ。 - 政府広報「家族みんなで防ごう!高齢者詐欺!」に似せたチラシで偽の相談窓口に誘導する手口 消費者庁が注意を呼びかけ
「会社の内容を教える」というのは偽物です! - 物干しざおの移動販売でのトラブル再び増加 10万円請求されたケースも
支払いを強要し金融機関に同行されることもあった。 - 打ち上げ花火で顔がドーンと粉々に! マネキンを使って花火の危険性を紹介する動画がゾッとする
一般的な娯楽とはいえ、花火の中身は火薬ですからね。