advertisement
ゴッホが心身を病んだ晩年に左耳を切断したという逸話は世界的に知られていますが、切断された耳の範囲については諸説ありました。そんな中、カリフォルニア大学バークレー校のバンクロフト図書館で新たな証拠が見つかり、研究者たちの注目を集めています。
バンクロフト図書館による解説動画
同図書館によると、「耳切り事件」の際に診療を担当した医師のフェリックス・レー氏によるイラスト付きの手紙が見つかり、それによればゴッホの左耳はほとんど切断された状態でした。イラスト付きの手紙は同図書館がYouTubeに投稿した動画などで確認することができ、耳が根本から切り取られている様子がはっきり見て取れます。手紙はもともとレー医師から作家のアーヴィング・ストーン氏に送られたもので、ストーン氏は手紙の情報を元に、後に映画化もされた伝奇小説「炎の人ゴッホ」を執筆しました。
今回の発見はバンクロフト図書館が作家のBernadette Murphy氏の依頼で調査している中で見つけたもの。数百もの資料箱の中から奇跡的に手紙を見つけたという図書館員は「このような大発見は世界的に見てもめったにあることではなく、ゴッホの人生史を大きく変えるもの」と、発見の重要性を強調しています。Murphy氏はこうした最新の資料を元に「Van Gogh's Ear: The True Story」を執筆。本は7月12日に出版され、国内からもKindle版などが購入可能です。なお、オランダのゴッホ美術館では7月15日から9月25日までの間、ゴッホの病気に焦点を当てた初の展示会「On the Verge of Insanity」を開催中。レー氏による手紙の実物も展示されています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ゴッホとゴーギャン展」の音声ガイドに小野大輔&杉田智和 両画家の手紙を引用して展覧会をナビゲート
2人の有名画家展に2人の豪華声優陣がコラボ! - 往年の名画と現代の絵師がコラボレーション! 画集「絵師で彩る世界の名画」が時間を超えた美しさ
名画が少し身近になりそう。 - 「ゴッホとゴーギャン展」が10月から東京都美術館で開催 2人の共同生活が互いの作品に与えた影響を探る
2017年1月から愛知県美術館でも開催されます。 - 全編油絵! ゴッホの描いた風景がそのまま動きだす映画プロジェクト「Loving Vincent」が驚愕の映像美
まるで動く美術館! - 絵にしか見えない 絵画「ファン・ゴッホの寝室」を再現した部屋がAirbnbに登場!
ゴッホが耳を切った時期の部屋。