人気ファストファッションブランドZARAを展開するアパレルメーカー「Inditex」に対し、複数のアーティストが「自分たちのオリジナルデザインが無断で使われている」と主張。TwitterやInstagramなどのSNSに比較画像を投稿し、波紋を呼んでいます。
事の発端は、LAを拠点とするデザイナーTuesday Bassenさんが「たくさんのデザインがZARAに無断転用されている」と自身のSNSに投稿したことから始まりました。
Tuesday Bassenさんは弁護士を通してInditexに異議を申し立てたものの一度却下されたそうです。その理由について「私がインディーズアーティストで彼らは大会社であり、私の知名度が低いため、(盗用の主張に)根拠がないと言われた」とVogueの取材で語っています。
騒動は複数のメディアが取り上げ、情報が拡散されるに連れ、他のデザイナーからも「自分のデザインもZARAに無断転用されている」と主張する声があがる事態に。
アーティスト・デザイナーであるAdam J. Kurtzさんによると、少なくとも17人のアーティストやイラストレーターの方がZARAの無断転用を主張しているとのこと。ZARAだけでなく、「同系列のアパレルブランドBershkaにデザインを無断転用された」と主張しているアーティストもいます。
Adam J. Kurtz氏さんのTwitterには、アーティストたちのオリジナルデザインと、ZARAのデザインの比較画像が投稿されています。
Adam J. Kurtz氏は、「私たちのデザインは、ピンバッチや刺しゅうワッペン、プリントデザインとしてZARAやBershkaの製品に無断で使われ、販売されています。いくつかのデザインはシンプルな形とアイコンがモチーフになったものですが、ZARAはほとんど同一といえるデザインを使っているんです。私たちは誰も、Inditexとライセンス契約を交わしていません」と主張しています。
ZARAに一度訴えを却下されたTuesday Bassenさんは自身のTwitterで、今回の件を新たな弁護士に依頼したことを報告。ZARAの本社であるインディテックスを相手取り、再び訴えを起こす予定だと述べました。
なお、InditexはVogueに対し、「申し立てを受けたデザインの商品は直ちに販売停止し、調査を開始しました。弁護団がこの問題を解決するため、Tuesday Bassenさんの弁護士と連絡を取っています」とコメント。まだまだ続きそうなこの騒動。世界的に人気のあるファッションブランドなだけに、今後の展開が気になります。
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