西日本に接近・上陸は今年初めて
強い勢力となった台風第12号は、暴風域を伴って3日(土)は奄美地方に接近し、4日(日)は九州に上陸する恐れがあります。その後、予報円の中心を進めば、中国地方を通り、日本海へと進む見込みです。まだ、5日(月)以降の予報円は大きく、予報に幅があるような状況ですが、西日本には今年初めて台風が大きな影響を与えそうです。
今年は、台風が度々北日本や東日本に接近、上陸し、これまでに西日本付近を進む台風はありませんでした。例年、夏場の台風は太平洋高気圧の周りを大回りして、九州の西側の海域から日本海に進む経路をとることが多くなっています。ただ、今年は8月でも太平高気圧の勢力が安定せず、東日本や北日本付近を進む台風が多くなりました。今回は北日本や東日本付近には高気圧が張り出しており、今年初めて台風が西日本付近を進む予想となっています。
各地への影響は?
【奄美地方】2日(金)夜のはじめ頃には強風域(風速15メートル以上の領域)に入り、夜遅くには暴風域(風速25メートル以上の領域)に入る恐れがあります。予想される最大瞬間風速は2日(金)は35メートル、3日(日)55メートルです。これは、多くの樹木が倒れたり、走行中のトラックが横転してしまうような風です。暴風や高波に警戒してください。大荒れが予想される期間は不要不急の外出は避けましょう。2日(金)夕方から3日(土)にかけては非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。低い土地の浸水や河川の増水にも注意が必要です。なお、3日(土)は潮位の高くなる所があるでしょう。海岸や河口付近の低地では高潮による浸水や冠水に注意してください。
【九州】九州南部では3日(土)昼前から、海上を中心に非常に強い風が吹き、猛烈な風の吹く所があるでしょう。海はうねりを伴い大しけとなる見込みです。また、3日(土)昼前から、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。低い土地の浸水や河川の増水にも注意が必要です。九州北部は台風接近前から湿った空気や気圧の谷の影響で大気の状態が不安定になっており、非常に激しい雨の降る所があるでしょう。3日(土)は次第に台風が近づき、4日(日)は雨や風が強まり、大荒れの天気となる恐れがあります。大荒れの期間が夜間にあたる地域では停電に備えて、今のうちに懐中電灯を用意しておくと良いでしょう。
【中国・四国・近畿】4日(日)から5日(月)にかけては中国地方や四国にも台風が接近する可能性があります。暖かく湿った空気が流れ込むため、大雨となる恐れがあります。また、太平洋側を中心に次第にうねりを伴った波が高くなる見込みです。近畿にも暖かく湿った空気が流れ込むため、3日(土)から5日(月)にかけて南部を中心に大雨の恐れがあり、油断はできません。
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