売り上げの一部が絶滅危惧種・ツシマヤマネコの保全活動に寄付されるブランド米「佐護ツシマヤマネコ米」。こちらのパッケージが米袋の形状にツシマヤマネコのイラストをうまくあしらっており、Twitterで注目を集めています。口を結ぶと左右にできる2つの出っ張りが、ネコ耳に見立てられているのです。
佐護ツシマヤマネコ米は、2009年から佐護ヤマネコ稲作研究会が手がけているブランド米。長崎・対馬のなかでもツシマヤマネコが高い密度で住む佐護地区で、農薬を抑えるなどヤマネコの生息に適した田んぼをつくり、収穫したお米の売り上げの一部もNPO法人ツシマヤマネコを守る会に寄付。農家と自然の共生に取り組んでいます。
1袋500円の3合サイズは黄色い紙製の米袋にツシマヤマネコの顔が大きく描かれているのですが、上部の結び口がそのままネコ耳になる仕様に。昔ながらの米袋の形と保全対象のネコを組みわせてしまうアイデアと、かわいらしいイラストにときめいてしまいます。Twitterではワンコインの手頃な価格設定もあわせて「やり方が上手」と話題になっていました。
「米袋をじっと眺めていたところ、結び目を見て『これってネコ耳じゃん!』と思いつきました」と、デザインを手がけた一般社団法人MITの吉野由起子さん。2011年から同研究会の事務局として、佐護ツシマヤマネコ米の商品開発や配送、宣伝を手掛けています。
もともと3合サイズはペットボトルに入っていましたが、持ち運ぶのに重そうな見た目だったためあまり売れず、2011年に紙の3合袋にリニューアルすることに。デザインを任された吉野さんは「結び目=ネコ耳」をひらめき、現在のように米袋をツシマヤマネコの顔に見立てるパッケージで販売しました。対馬空港での売り上げは約4倍に増え、2.7トンだった全体の売り上げ(5キロサイズと3合サイズの合計)は翌年3.8トンに。ネコ好きに愛用されるほかSNSでもじわじわ人気が広がり、2015年には5トンと倍近くにまで増加しました。
「味もおいしいので、パッケージだけでなく中身も気に入っていただけたらうれしい」と吉野さん。8月にバイラルメディアがツシマヤマネコの保全につながるお米として紹介したことでネット注文が殺到し、2015年生産分はすでに完売しているといいます。2016年生産分は公式サイトやメールで予約を受付中で、10月あたりから順次発送予定。
(黒木貴啓)
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