両さんは最後まで両さんだった ジャンプ「こち亀」最終回 人気作家からのはなむけに未来への布石も:ねとらぼレビュー
「こち亀」が最終回を迎えた9月17日発売のジャンプ、誌面を最速レビュー。
「こち亀」がついに40年の歴史に幕を下ろした。9月17日発売の「週刊少年ジャンプ」42号、その巻頭カラーで「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治)の最終話が掲載。最終巻となるコミックス200巻も同日発売されている。
191巻以降、1冊の掲載本数を大幅に増やして「40周年&200巻」達成のための調整を行ってきた「こち亀」。200巻では遂に21編収録の400ページに到達と、とにかく厚い。厚すぎる。通常のコミックスが9編収録の200ページ前後、と考えると、ボリューム2倍の大増量だ。
以下、ネタバレを含むのでご注意を。
注目の最終回ネタはというと……ジャンプ42号と200巻最終話が同じ内容で、オチだけ違う、というもの。「どうです 欲しくなったでしょう これは両方買ってもらういやらしい商法です」と図々しく語る両津勘吉。ある意味、40年間ブレない主人公らしさ、ともいえる。
本編以外でも、今週のジャンプはとにかく「こち亀」のお祭り状態。「つながり続けて40年」ということで、ジャンプ内に両さんのトレードマークともいえる「つながり眉毛」が40個隠されている。
たとえば、今まさにクライマックスを迎えている「トリコ」(島袋光年)では、ある重要なシーンで両さん眉毛が登場。「そこで使うか! さすがはしまぶー」とうならされた。
また、「ONE PIECE」(尾田栄一郎)の場合、眉毛とともに記されている今週のタイトルが「クソお世話になりました」。ワンピファンならお馴染みの名台詞であり、もちろん今週のストーリーとも絡んではいるのだが、「こち亀」と秋本先生へのメッセージであるのも明らかだ。実は以前、「NARUTO-ナルト-」(岸本斉史)最終回のときにも、扉ページで同様の隠しメッセージを忍ばせたことがある尾田栄一郎。今回も何かやってくれるのでは?という期待に見事に応えてくれた格好だ。
このように、ジャンプファンであれば、それぞれの作品のどんな場面で両津眉毛とコラボを果たしているのか、細かくチェックするだけでも楽しいはず。
そして、コラボといえばもうひとつ、今週のジャンプで重大発表がなされている。それは、10月3日発売のジャンプ44号から、ジャンプ作家陣が「こち亀」のコラボマンガを描くトリビュート企画「みんなのこち亀」がスタートする、というもの。初回からいきなり、「僕のヒーローアカデミア」の堀越耕平や「食戟のソーマ」の附田祐斗らエース級が登場する。
さらに、ファンにとっては待望となる「ミスタークリス」の復活など、秋本作品の今後の計画も大発表。2017年には「週刊少年ジャンプ」で新作も登場予定だという。
最終回でありながら最後までギャグに徹し、そして未来への布石も打った「こち亀」と秋本先生。たとえ連載は終わっても、その勢いは今後も衰えそうにない。
(オグマナオト)
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作者・秋本治さんの連載40周年記念絵巻奉納式でのコメントも掲載。