豊洲新市場の“疑惑の柱”実際はまっすぐ―― フジテレビの報道を都議員が現地で検証 「完全に誤り」と報告
傾いている疑惑があると報じられた豊洲新市場建物の柱を、東京都北区の音喜多駿議員が調査しブログで報告しました。
豊洲新市場の建物に傾いた柱があるのではないか――10月2日にフジテレビの番組「新報道2001」が報じた“疑惑”がネットで物議を醸しています。これを受け、東京都北区の音喜多駿議員が7日に豊洲新市場を視察。番組に登場した柱が本当に傾いているのか検証し、本人のブログで結果を報告しました。
番組では同市場の加工パッケージ棟4階で2本の柱が写っている写真を紹介。うち1本の柱が傾いているように写っているのですが、これをプロカメラマン、建築、地質の専門家の見解などをもとに、豊洲新市場や周辺の地盤沈下の影響で柱が傾いたものではないかと疑惑を報じました。ネットでは新市場建設のずさんさを示すものだと共感の声があがる一方、柱の傾きはカメラの性質によるもので実際には問題なく、報道は不安を煽るものではないかと批判も相次いでいました。
音喜多議員はブログで、写真の“疑惑の柱”を目視したところ特に傾いているように見えなかったと説明。iPhone 6sを横にして水平から撮った場合と、縦にして上から取った場合、写真を2枚並べ、後者だと柱が傾いているように写ることを示しました。なおメディアの取材によると、番組が使った写真はiPadで撮られたものだそうです。
議員は目視と撮影だけでなく、専用器具「下げ振り」を使って柱の垂直性も測定しました。傾きは1.25/1000程度で、国交省の「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」の基準値を満たすことから「問題なく施工が行われていると断言できるでしょう」と報告。「『豊洲新市場の柱が傾いており、安全性に疑問がある』という報道は、完全に誤りであることをここに証明させていただく」と結論づけました。
最後は「雨後の竹の子のように沸いてくる不確かで不適切な情報を、なかには明確に『デマ』と断定できるようなものまで報道されている現状を、見過ごしてしまって果たして良いのでしょうか?」と報道全体の在り方に疑問を投げかけ、「不確かな情報は、その都度しっかりと検証・反証していく必要があると思います。大きな失点を続けている東京都ですが、情報発信体制を強化してきっちり対応を行うべきです」と、調査権をもつ都議会議員として独自の調査を続けていく意向を見せています。
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