対局中に将棋ソフトを不正に使用した疑いが持たれていた三浦弘行九段が、疑惑を否定する反論文書を公表しました。弁護士を通じて報道各社に発表されたもので、毎日新聞に全文の書き起こしが掲載されています。
三浦九段は「対局中に不自然な離席が多い」などの理由から対局中に将棋ソフトを不正に使用した疑いの声があがり、騒動をめぐって日本将棋連盟から年内の出場停止処分が下っていました(処分は「将棋ソフトの不正使用」に対してではなく、「疑いを持たれたままでは対局できない」とした三浦九段が期限内に休場届を出さなかったことに対してのもの)。
三浦九段は文書で「全くの濡れ衣」「私がこれまで対局中に将棋ソフトを使用していたことは一切ありません」とあらためて疑惑を否定。離席時は将棋会館内の休憩室で体を休めていたなどと説明しています。
三浦九段への調査は11日に行われ、三浦九段が休場の意向を示したものの翌12日15時までの期限内に休場届が出されなかったとして処分が下されていました。一方、三浦九段は11日から12日にかけて、将棋連盟に対して自身のPC、スマートフォンの全アプリを撮影した画像を自主的に提出していたとのこと。連盟に対してそれら資料の精査や離席時にコンピュータと指し手の一致率が高いことを示す証拠の提出を求めたものの、連盟は要求に応じず一方的に出場停止処分を下したとして、「適正な手続きによる処分とは到底言い難い」と主張しています。
将棋連盟はこの件に関して追加調査は行わない方針を発表していますが、三浦九段は「今後も連盟の調査に最大限協力するつもりです。そのことにより、私にかかった疑惑が晴れると信じています」とコメントしています。
(たろちん)
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