レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとってLGBTとも呼ばれる性的マイノリティーの人々が、平等な権利や差別の是正を訴えて行進するプライドパレード「台灣同志遊行」が2016年10月末、台湾の台北市内で開かれ、第14回目となる今回は、およそ8万人を超える人々が参加しました。日本から渡航して参加した筆者のレポートをお届けします。
10月29日、朝からしとしと降り続いた雨は台湾独特の湿った空気に混じり、重たく暗い空模様……そんな鬱々とした天気をよそに、パレード出発地点の総統府前にはたくさんのレインボーフラグを持った人が集まっています。出発前のステージ付近には自分の思う方向に歩くことが困難なほどの大勢の人が詰めかけました。
総統府前から二手に分かれて、それぞれおよそ2時間の道のりをパレードします。この日のために4車線の大通りを通行止めにし、参加者が思い思いの格好でプラカードを掲げたり、多様な性の象徴である6色のレインボーを振りながら行進していきます。
パレードにはド派手なドラァグクイーンの集団や、マッスル重視なゲイのお兄さんたち、台湾の各大学のサークルなど当事者の団体に加えて、都市銀行やタクシー会社、書店、政党などさまざまな支援団体が参加していたことが印象的でした。
街中のあちこちにレインボーフラグが掲げられており、台北市長もFacebookで紹介していました。なお、蔡英文総統も同イベントにあわせて「全ての愛は平等」とコメントしています。
台湾のパレードは厳格な規制などがないため、途中で列から抜けて買い物をしたり、昼食を取ったり、戻ってきて再び参加しても大丈夫なため、街とパレードが一体になっているかのような印象を受けました。
アジア最大級のパレードには、当事者たちとそうでない人たちを分けるのではなく、多様性を丸ごと受け止めるかのような寛大さが息づいているのでした。
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