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「言われても信じられない」錯視画像が本当にどうなっているのか分からない

画像の作成は中京大学心理学部准教授によるもの。

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 2016年に開催された「第8回 錯視・錯聴コンテスト」で入賞した錯視画像が、「錯視が起きてることに気付けない」「言われても錯視だと信じられない」レベルだと話題になっています。どこに錯視が起こってるのか分かりますか……?

中京大学心理学部准教授・高橋康介さん作成「曲がり盲」
こちらがその画像、あなたは分かります……?

 錯視画像は2色に塗り分けられており、緩やかに曲がった波線と、大きくギザギザに曲がった波線が2本ずつ交互に並んでいます。「それがどうかしたの?」と思われるかもしれませんが、実はこの2種類の線は色の塗り方が違うだけの「同じ形状」の波線。この錯視画像は中京大学心理学部准教授・高橋康介さんが作成したもので、名称を「曲がり盲」と付けられています。

 2種類の波線のうち、緩やかに見える線は波の「中心」で濃淡が切り替わっているのでカーブが認識されやすく、鋭く見える線は波の「頂点」で濃淡が入れ替わっており、それゆえ波のカーブが見落とされやすくなります。この「カーブの見落とし」が、2種類の波の角度や、振幅の認識に影響を与えているようです。

2種類の波線の比較画像
2種類の波線を並べると、この通り全く同じ形状(高橋さんの許可を得て編集)

 また、背景が白または黒の時、錯視の強さは軽減されます。つまり、対象と背景色との色差も認識に影響を与えていると見られます。さらに、京都大学霊長類研究所思考言語分野教授・友永雅己さんとの共同研究で、この錯視はチンパンジーでも起こることも確認。ヒト以外の動物でも同じ錯視が起こるのではとも考えられています。

 錯視・錯覚などの研究は、脳の情報処理を研究する「知覚心理学(実験心理学)」という重要な分野の1つ。高橋さんは今回のコンテスト入賞について、「人間の脳や心は、まだまだたくさんの謎に包まれています。錯視や錯覚はそんな不思議の一端を私たちに身を持って教えてくれます」とコメント。「心理学部の学生だけでなく、こどもから大人まで多くの人にこの楽しさを知ってもらいたい」と語っています。

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