2016年内の出場停止処分が下されている将棋棋士の三浦弘行九段が11月17日、名人戦・A級順位戦で不戦敗となった。同処分による不戦敗が確定するのは初めて。
三浦九段には対局中にスマートフォンを使って将棋ソフトを不正利用した疑いが持たれており、その影響(※)で10月12日に出場停止処分が下された。しかし、本人が全面的に否定していることもあり、将棋連盟は10月27日に処分の妥当性や三浦九段の対局中の行動について調査する第三者調査委員会(第三者委)を設置。11月4日に初会合を開催したとアナウンスしている。
今回、ねとらぼでは将棋連盟に電話取材を実施。主なやりとりは以下の通り。
――第三者委の結論はいつごろ発表されるか
連盟は依頼している立場でありコメントできない。
――11月4日以降、第三者委は行動しているのか
何回も会合をしている。
――そうした情報を連盟のサイトに載せない理由は
逆にその都度掲載する理由はあるのか。
――活動が不透明で分かりにくい。連盟のサイトに週刊文春が報じているようなこれまでの経緯は載せないのか
第三者委に任せているため予定はない。
――第三者委から出場停止処分は不当との意見が出た場合、不戦敗を取り消すのか
仮定の話には回答できない。
――三浦九段は直ちに撤回して欲しいと言っている
第三者委の判断を待つしかない。
なお、三浦九段は弁護士を通じた文書(11月7日付)で「連盟は、出場停止処分の妥当性に疑義があると考えたからこそ、第三者調査委員会を設置したのだと思います。しかし、私の出場停止処分は未だ継続されています。出場停止処分の妥当性に疑義があるのであれば、まずは出場停止処分を撤回してから調査にあたるべきではないでしょうか」とし、処分の撤回を求めている(全文は産経新聞が公開中)。その後の状況について弁護士に確認しようとしたが、海外出張中なためコメントはもらえなかった。
※将棋連盟によると直接の処分理由は「疑いを持たれたままでは対局できない」と休場意向を示した三浦九段が期限内(約24時間)に休場届を出さなかったため。伊藤雅浩弁護士はこの対応を「まるで疑いをかけられたことを以って処罰する嫌疑刑と同じ」と批判している
棋士の反応(一部)
(高橋史彦)
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