ユーザーの記事が編集部名義になるトラブルでnanapiが謝罪 関連メディア間で記事を転載する際に手違い
nanapi、LiRu間で記事を移行させる作業を繰り返し行っていました。
キュレーションメディア「nanapi」に、ユーザーが制作したにもかかわらず、著者表示が「nanapi編集部」になっている記事があったことが明らかになり、物議を醸しています。運営元であるSupershipは「サービス運用上のミス」だったと謝罪しています。
nanapiはユーザーが記事を投稿できるシステムになっており、かつてその機能を利用していたライターが自分の記事を確認したところ、そのうちの1本の文章と画像を使った編集部名義の記事が存在することが判明。タイトルは別のものに差し替えられており、異なるURLが使用されていたそうです。なお、この人物が書いた元の記事は、非公開で閲覧できない状態になっていたとのこと。
この件は同ライターのツイートやTogetterなどにより15日ごろからネット上で拡散。Supershipはnanapiのトップページに「ライターの皆様および利用者の皆様に多大なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます」とする謝罪文を掲載し、原因となった「サービス運用上のミス」について説明しています。
Supershipは2016年5月、nanapiの記事を転載した美容情報サイト・LiRuを発足。しかし、同社は一部のニュースサイトと、同メディア(nanapi)の記事しか配信できない契約を結んでいたため、LiRuの記事をnanapiに再び公開する方法を採用。こうすることで、LiRuの記事をnanapiの記事としてニュースサイトに配信できるようにしていました。また、10月にLiRuがサービス終了した際にも、nanapiに記事を戻す作業を行っていたとのこと。
このように記事を別のWebサイトに出し分ける作業でトラブルが発生し、同じ内容にもかかわらず、本来の投稿者と異なる著者表示を持つ2つの記事がnanapiに存在する状態に。後者を削除する対応を行っていたものの、一部が掲載されたままになっていたそうです。
なお、謝罪文ではタイトルの変更、本来の記事が非公開になっていたことについては説明されていません。nanapiの利用規約では、ユーザーによる記事の編集、掲載などの権利はSupershipに許諾される旨が記載されています。
(マッハ・キショ松)
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