はちま起稿を買収したDMM、元管理人・清水氏ら主要メンバーを雇用しステマ関与か 取材に対し隠蔽工作も(3/5 ページ)
編集部では12月上旬から情報を収集、12月中旬にはDMM.comおよびはちま起稿、清水鉄平氏に取材を試みていました。
当初DMM.comは「分からない」――問い合わせから12日後にようやく公表
編集部がこれらの情報をつかんだのは12月15日ごろ。この時点でほぼ「DMM.comがはちま起稿を買収している」という部分について確証は得ていましたが、万が一のことも考えて12月16日、DMM.com広報に次のような質問を送りました。
- まとめサイト「はちま起稿」をDMM.comが買収していたのは事実か
- 清水鉄平氏をコンサルタントとして雇用していたのは事実か
これに対し、DMM.comは当初「広報では分かる者がいない」と回答。その後「唯一分かる人間」として、マーケティング本部長の川端祐喜氏を担当者として紹介されます(当初は「広報のカワバタ」と名乗っており、「マーケティング本部長の川端祐喜氏」と判明したのは具体的な回答メールが届いてから)。
しかし、川端氏の返答も「まったく把握していないので調べるのに時間がほしい」というもの。結局、問い合わせから10日後にようやく届いたメールには、「ご連絡が遅くなって申し訳御座いません。公表すべき内容があれば適宜、弊社より情報提供させて頂ければと存じます。」とだけ書かれていました。メールの日付は、12月25日(日)の13時40分でした。
ただ、川端氏の回答には不可解な点もあります。DMM.comの座席表を見るかぎり、川端祐喜氏の座席は清水鉄平氏の左隣。この位置に座っていて、なおかつ調査に10日を費やしながら「まったく把握していない」というのは明らかに不自然です。この時点で編集部は、川端氏本人か、あるいは川端氏が問い合わせた社内の誰かが、買収の事実について隠蔽しようとしているのではないか――という疑惑を深めます。
ちなみに前述の座席表についてですが、編集部が川端氏に問い合わせを行ったその日(12月16日)のうちに、清水鉄平氏の名前が消されたことも確認しています。
そこで編集部では12月27日、あらためてDMM.com広報に電話し、川端氏への疑念も全て伝えたうえで、「川端氏ではなく、信頼できる広報からの公式回答が欲しい」と再度質問を送付しました。しかしDMM.com広報の回答は「この件は川端でないと分からないため川端から折り返す」というもの。またこのとき、12月28日16時までに回答がなければ、「回答なし」として記事を掲載する、とも伝えていました。
その後については既報の通りで、DMM.comは28日16時にプレスリリースを掲載し、はちま起稿の買収および売却についてようやく公表。編集部が最初にDMM.comに問い合わせてから12日後のことでした。
なお現時点で、いまだ川端氏およびDMM.com広報から、再質問に対する回答は戻ってきていません。
清水鉄平氏は「プライベートなことなので答えたくない」
ちなみに編集部では、同時期(12月中旬)に清水鉄平氏およびはちま起稿にも同様の質問を送っていました。清水鉄平氏は電話番号が分かっていたため電話にて質問(「はちまApp」配信開始時のプレスリリースに清水氏の電話番号が掲載されていた)、またはちま起稿については、サイト内に掲載されている問い合わせ用メールアドレスから質問文を送付しました。
結果、清水氏については、「プライベートなことなので答えたくない」との回答。それは否定という意味ですか、と尋ねると「否定も肯定もしません。自分だけのことではないので、DMM.comに聞けばいいのでは」と言葉を濁しました。また、はちま起稿については回答期限までに返信がなく、同じく清水氏にもあらためてメールで詳細な質問を送りましたが、期限までに返信はありませんでした。
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