はちま起稿を買収したDMM、元管理人・清水氏ら主要メンバーを雇用しステマ関与か 取材に対し隠蔽工作も(5/5 ページ)
編集部では12月上旬から情報を収集、12月中旬にはDMM.comおよびはちま起稿、清水鉄平氏に取材を試みていました。
以前から指摘されていた「はちま起稿」の問題点
「はちまApp」リリース時に送付された資料内では、サイトについて「ネットユーザーから絶大な支持を受ける、ゲーム系エンターテイメントまとめブログ」と説明。またサイトの規模については「月間1億PV超、700万UUを誇る大人気ブログ!」とありました。
はちま起稿がオープンしたのは2008年。当初は管理人・清水鉄平氏の個人ブログという形でしたが、やがて2ちゃんねるの「ゲーム業界、ハードウェア板(通称ゲハ)」からレスを抽出してまとめる、いわゆる「ゲハブログ」に転向。しかし、このころから過激なタイトルをつけた「煽り」や、恣意的な編集による印象操作、デマの拡散、他サイトからの無断転載などが目立つようになり、ついには2012年、当時の2ちゃんねる管理人・ひろゆき氏から名指しで「悪質なまとめサイト」の1つとして、2ちゃんねるからの転載禁止を言い渡されます。以降は他サイトからニュースの一部を引用し、それに管理人が簡単なコメントを加えるという、現在のスタイルに落ち着きました。
また、かなり初期からステマを疑う声が絶えず、2011年には父親が経営していた広告会社「KND」とのつながりが発覚し炎上。清水氏の顔写真や住所が流出し、管理人を引退する事態にも発展しました。なお、このとき清水氏は「はちま起稿の全てを友人に渡し、自分は運営から手を引く。今後ブログを管理・更新することはないし、そこから利益を得ることもない」と謝罪文の中で発言していましたが、少なくとも今回の件を見るかぎり、引退もしておらず、サイト運営による利益も引き続き得ていたとみて間違いなさそうです。
今回、はちま起稿の運営元がDMM.comだったことは明らかになりましたが、DMM.comがどのような判断で買収に至ったのか、なぜ短期間で売却することを決定したのか、どこまではちま起稿の運営に関わっていたのか、ステマの事実はあったのか、責任の所在はどこにあるのかなど、まだまだ不明な点は数多くあります。編集部では全ての事実が明らかになるまで、今後も引き続きDMM.comおよびはちま起稿に取材を続けていく予定です。
また、はちま起稿だけに限らず、こうした大手まとめサイトのいくつかは「実は個人運営に見せかけた企業ニュースサイト」であるとの情報も寄せられています。これらについても引き続き情報を募集中です。
「まとめサイト」についての情報はねとらぼのTwitter(@itm_nlab)までお寄せください。リプライだと差し支えがある場合はDMでも大丈夫です。情報源についても秘匿いたします
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ソースからは、そのような事実が確認できませんでした。※追記 - 「性的パートナーがいない人は障がい者?」誤訳を元に波紋広がる 元記事は不妊の定義変更を取り上げたもの
「童貞は障がい者」と報じるまとめサイトも。