映画監督のケイシー・テボさんが、自分が制作した映画の海賊版を違法ダウンロードされたとして、違法ダウンロードした人が働く店で万引きをするという仕返し動画を公開しました。違法行為を違法行為で返すという内容から物議を醸しています。動画の中では、ことのはじまりから一連の出来事が語られています。
ケイシー・テボさんは、エアロスミスやRun DMCなどのライブパフォーマンス監督を務めたこともある映画・ミュージックビデオ監督。過去には「Dream On: Stories of Boston’s Strongest」という作品でエミー賞の受賞経験もあります。昨年には、「Happy Birthday」というホラー映画を監督として制作しました。
ある日古い友人からこの「Happy Birthday」をみたと連絡があり、テボさんはふとどこでみたのかなどを聞いているうちに、どうやらその友人は違法ダウンロードをしたことが分かり、テボさんは激怒します。
この話に対してテボさんの相棒が、「そいつの働く店で商品を盗んじゃえよ。もし捕まったら『ヤツがオレの作品を盗んだんだ。オレが盗んだらだめなのか?』と言えばいい」と斜め上なアドバイスをしてきたそうです。違法ダウンロードを「盗み」として、だったらこっちも盗み返してやればいいじゃないか、という論理。
なんとこれを冗談で終わらせずに、テボさんは本当に実行することを決意。店内に入ると、クラムチャウダーの材料を”予算”30ドルで探し回ります。そして本当に万引きを実行します。
お金を払わずに店の外にでると、スタッフらしき人に呼び止められます。万引きの様子が防犯カメラに収まっていたらしく、警察へ通報するぞと怒鳴られました。それに対してテボさんは台本通り、ここで働く人が違法ダウンロードで自分の作品をみたと主張。「ここで働いている人が自分の業界から盗みをしたんだから、なんで自分がここで盗みをしたらだめなんだ?」と言い張ります。
ジョークのような豪快な仕返しも、さすがに万引をしているとのことで動画のコメント欄は否定的意見が多いようです。中には、「著作権侵害は盗みと違うのでは」などと問題点を指摘する意見もありました。テボさんは、説得力のあるコメントも多かったとして、近いうちに補足の動画を投稿するとしています。なお盗んだものは返却し、後日警察から電話があったようです。万引きは犯罪ですので、くれぐれもこんな仕返しはしないように……!
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