アパホテル、「中国人の予約拒否」報道を否定 中国政府の発言には「民間企業の活動への個別批判に疑問」
南京大虐殺を否定した書籍については、引き続きホテルから撤去しない方針だと公言しています。
アパホテルを運営するアパグループは24日、元谷外志雄代表が「中国人の予約は受け付けない」と発言したと一部媒体に報じられた件について、そのように発言した事実はないと否定しました。
同グループは、アパホテルの客室に南京大虐殺の存在を否定した書籍を設置していることで中国から非難の声を集めています(関連記事)。韓国の新聞社「中央日報」日本語版は23日、中国共産党系の新聞社「環球時報」を元に、元谷代表があるフォーラムで「(客室から書籍を)撤去することは考えておらず、中国人の予約も受けない」と述べたと報じました。すでに記事は削除されましたが、元にしたという環球時報のWeb版記事は残っています。
これに対しアパグループは、元谷代表の発言は「公式HPがサイバー攻撃を受けてダウンしており、現在中国の旅行代理店が不買運動を実施しているため中国から予約ができなくなっている」という趣旨だったと報道を否定。中国からの宿泊予約は歓迎していると発表しました。
また中国国家旅遊局の報道官が24日に記者会見で、アパホテルを使用する旅行商品の販売や宣伝を中止するよう中国国内の旅行会社に求めた件について、見解を公表。「政府が一民間企業の活動を個別に批判することに対しては疑問を感じますが、中国政府の政策に対してこちらがコメントする立場にはないと考えます」と発表しました。ホテルから書籍を撤去しない方針(関連記事)は、この件を受けてなお変更しないと意向を示しています
アパホテルの公式サイトは16日22時ごろからサーバが停止し復旧作業中となっていました。同グループは原因についてサイバー攻撃と思われる異常なアクセスがあったと説明。以降セキュリティの強化を含めた対策を実施したとして、23日より利用できるようになっています。
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