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「土星の輪」を超至近距離から! NASAが土星探査機「カッシーニ」からの最新映像を公開

リングの構造がくっきり。

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 1997年に打ち上げられた土星探査機「カッシーニ」による最新映像が、NASAから発表されました。新しい映像には、2004年に土星に到着した時には見られなかった、細かなリングの構造がしっかりと捉えられています。

 打ち上げから7年の時間をかけて土星の軌道へ突入した探査機カッシーニ。その後も軌道上から、新しい衛星の発見や、衛星タイタンへの探査機放出などさまざまなミッションをこなしてきましたが、ついに2017年、最後のミッションへと突入し、その寿命を終えようとしています。

 今回の写真はその前に撮影されたもの。土星のリングに接近しつつ撮影した、貴重な写真を地球へ送ってきてくれました。


カッシーニ写真 2016年12月18日に可視光で撮影された、土星から約13万4500キロ離れた土星Aリング(メインリングのもっとも外側の部分)の様子。「ストロー」と呼ばれる密度波によって、リングが波立っている様子が分かります

 公開された写真は全4枚で、いずれもかなりリングの近くから撮影されたもの。一見平らに見えるリングが、実は「ストロー」と呼ばれる密度波によって波立っている様子など、これまでの写真では分からなかった、細かなリングの構造がはっきりと写っています。


カッシーニ写真 同じ時間に撮影されたBリング(メインリングの中央部分)の画像にも、これまでは見ることができなかった、細かなリングの構造がしっかりと写っています。小さなノイズは宇宙線と荷電粒子線によるもので、詳細な様子を調べるためにあえて加工せずに残しているとのこと

カッシーニ写真 こちらもAリングの様子を撮影したもの。細かなノイズが強く入っていますが、微細なリングの様子がしっかりと写っています。この画像は、これまで観察されていたものより、2倍も精密に撮影されています

カッシーニ写真 左端に斜め状の暗闇が写っていますが、これはリングの境界線で、太陽とは反対方向になります。かなり長い時間をかけて露出撮影されているので、波の密度が非常に濃く写っています

 カッシーニのラストダンスは、2017年4月から始まるミッションになります。このミッションは、土星の約1600キロ上空から直接飛び込み、大気との摩擦で燃え尽きる9月15日までのデータを記録するという計画です。

 このミッションをもって、長かったカッシーニ20年の旅も終わりを迎えることとなります。おつかれさまでした、カッシーニ! 最後まで頑張ってね!


Credits: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

(ひらぬま)


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