advertisement
死海の北西に位置する遺跡「ヒルベト・クムラン」周辺で、死海文書を収めていたとみられる洞窟が発見された。調査を主導するイスラエルのヘブライ大学は、この発見をこれまで死海文書が発見された11の洞窟に続く「第12洞窟」としている。
死海文書は1947年以降に同遺跡周辺の洞窟で発見されてきた、ヘブライ語旧約聖書や聖書関連文書の写本群。最古の写本を含んでおり、聖書の記述の変遷をたどるうえで重要な意義を持つ。第11洞窟の発見は1956年のことで、第12洞窟は61年ぶりの発見となる。
今回の調査では、ユダヤ教における第二神殿時代(紀元前516年〜70年)の文書貯蔵瓶が発見されたが、すべて破壊され中身は失われていたという。同時に1950年代のものとみられるツルハシも発見されており、盗掘に遭っていたと推測される。
文書こそ見つからなかったものの、調査団は筆記用に処理された羊皮紙が、瓶に巻かれていることを発見。これは洞窟から持ち去られたものが文書であることを示すととらえている。
石器やカーネリアン製の印鑑なども発見され、洞窟は新石器時代から利用されていたことも判明。研究者は今回の発見が新たな死海文書を発見するうえで重要な足がかりとなるとし、当局や研究者による遺跡調査が推進するとみている。
※画像はヘブライ大学のサイトより(Credit:Casey L. Olson and Oren Gutfeld)
(沓澤真二)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 死海文書がネットで公開 イスラエル博物館とGoogleが協力
Googleの技術協力を得て、イスラエル博物館が死海文書をデジタル化してネットで公開した。 - 古代エジプトの女性はこんな顔? 2000年以上前のミイラ化した頭部から復元
ミイラをスキャンして頭蓋骨を3Dプリントし、顔を復元する試みが行われました。 - ピラミッドの前でファラオポーズ エジプトへ出掛けた母の浮かれっぷりに現地の人も大ウケ
至急、第2弾が見たい。 - エルサレムで金ピカな謎の物体発見 ネットで情報募集して正体判明
謎の物体についてFacebookで情報を募ったところ、現代の健康器具と判明。 - デンマークの街なかで700年前のトイレが発掘される クサ〜い臭いつき
約700年の時を経て、今も悪臭を放っているとか……。 - 英国「ストーンヘンジ」近くで巨石群の証拠見つかる 約100個の石柱
「スーパーヘンジ」はおよそ4500年前に作られたと見られる。 - 世界最古か 15世紀のブラ見つかる
オーストリアの古城で15世紀のブラが発見されました。今のブラと似ています。 - ハイキングしていたら2000年前の金貨を発見 まだ1枚しか存在が確認されていなかった希少なものだった
なぜそこに落ちていたのかは謎。