保育園を利用したくても、定員制限などの事情からかなわない待機児童問題。川崎市議会議員・小田りえ子氏が、その実態を紹介するマンガをWeb上に公開しています。
夫婦ともに一部上場企業の総合職で働いている女性・Aさん(35歳)は「産んでからじゃ遅い」「着床したら保活」という先輩のアドバイスに衝撃を受け、妊娠中から保活(子どもを保育園に入れるための活動)を開始しますが……現実はかなり厳しかったようです。
子どもを入園させるのが難しく、いわゆる「激戦区」とされる地域に暮らしているAさんは、職場で業務引継に追われる日々を終え産休に入ると、子どもが1歳になったときの入園に向け保活をスタート。このようなケースは、都市部では珍しくないのだそうです。身重な体で認可外保育園の説明会に回る忙しい日々を送りながらも、出産は無事成功。「子どもが生まれて一番幸せな時期」を迎えますが、今度は認可保育園の保活に忙殺されます。
説明会のやり方が各保育園で異なるため、それぞれに電話問い合わせし、予約がすぐに埋まってしまうため、受付開始直後に申し込むなどの苦労を重ねるも、希望していた認可保育園13カ所全てに落選。「ママ友」間で情報共有したり、夫婦で送迎ルートの確認をしたりといった努力が、水の泡になりました。世帯所得の高さが災いし、他の子どもが優先されたことで、このような悲しい結果になってしまったようです。
とはいえ、公的補助を受けられないベビーシッターを利用すると30万円ちかくかかり、子どもが小学校に入るまで仕事を断念するとなると、Aさんは再就職が厳しい40代に。そのため、認可外保育園を狙って、現在も保活を続けているとのこと。地域によって保育園の倍率や入園者決定の方法などは違うものの、「保育園の倍率が高い地域に住む総合職女性のよくあるケース」だといいます。
市議会議員である小田氏の元には毎年、保育園に落ちてしまった母親からの相談が殺到しており、その深刻さを広く伝えるために、この漫画を公開したのだそう。シリーズ化して、さらに別の自治体で暮らす4人の母親の事例などを取り上げ「特定の自治体の課題ではなく、国全体の課題として皆で考えたい」としています。
(マッハ・キショ松)
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