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温泉マーク、おなじみ3本湯気デザインは廃止されず 国際規格の新デザインと選択できる方式へ

経産省が温泉マークを含む7つのピクトグラムの変更について最終案を発表しました。

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 経産省は22日、温泉マークを含む7つの案内用図記号(ピクトグラム)の国内規格(JIS)を、外国人観光客にも分かりやすい国際規格(ISO)に変更する計画について、最終案を発表しました。変更に反対意見があがっていた温泉マークは、JISの現デザインとISOの新デザイン、どちらを表示するか任意で選択できる内容に。他の6つは2年以内にISOへ移行して現行JISを廃止する案となっています。

温泉マーク 最終案 最終案における、7つのピクトグラムの現行JISとISOの図記号。温泉マークは選択式となる

 ピクトグラムとは、言葉に頼らず目で見るだけで案内を可能とする図記号。2020年の東京オリンピック・パラリンピックで外国人観光客の増加が見込まれるため、昨年から経産省では、駐車場、手荷物受取所、救護所、乳幼児用設備(ベビーケアルーム)、乗り継ぎ(飛行機)、案内所及び情報コーナー、温泉という7つのピクトグラムをISOに変更するよう、JIS改正原案作成委員会で議論を行ってきました。

温泉マーク 最終案温泉マーク 最終案 温泉マークの現行JIS(左)と、反対があがったISOの図記号(右)

 従来の温泉マーク(JIS)は楕円形から3本の湯気が立ち上るデザインでおなじみですが、産経省は外国人から「温かい料理を提供する店」と誤解される恐れがあるとして、ISOでは3人が入浴する新デザインを提案していました。しかし温泉地からは「日本人には混浴と誤解されるのでは」という反対意見、ネットでも「溶鉱炉に沈む家族みたい」「いままでの温泉マークで何か不都合があるのか?」と批判が続出。経産省では今年2月に意見募集を行うなど検討を重ねてきました。

 今回の最終案は、JISとISOどちらが分かりやすいか日本人・外国人それぞれ約1000人ずつにアンケート調査を行い、パブリックコメント結果も踏まえて取りまとめたもの。温泉マークは日本人と外国人とで理解度の評価が分かれたため、JISとISOの選択制に。ほかは日本人、外国人どちらからもISOの方が理解度が高かったためISOに移行することに決定したといいます。

 最終案ではこのほか、周囲に援助や配慮を必要としていることを知らせる表示「ヘルプマーク」の追加も盛り込まれています。今後は日本工業標準調査会(JISC)での審議、必要な手続きを経て、7月20日に改正される予定です。

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