3月12日投開票の埼玉県入間市議選で、トランスジェンダーであることを明らかにして立候補した細田智也さん(25)が初当選しました。トランスジェンダーの男性として公職に選ばれたのは国内で初めての例です。ねとらぼでは細田さんに取材し、市政にかける思いなどをうかがいました。
民進党公認で立候補した細田さんは、定数22のなか1134票を集め、21位で当選しました。
選挙活動中には、性的指向や性自認などが原因で困難を抱える性的マイノリティーの人々だけでなく、障害者や高齢者などを含む多様な声を行政に届けると呼びかけました。また、性的マイノリティーが悩みを1人で抱え込まず、相談できるような制度の構築を訴えています。
入間市をもっと暮らしやすい市にしたいと意気込む細田さん。立候補したきっかけは自身のセクシュアリティについて、相談する場所がなかったことがあげられるといいます。
「私自身が悩んでいる時に、どこに相談したらいいか分かりませんでした。市に相談するかは分かりませんが、市にそのような相談体制がとられていることで言いやすい環境に変化していくと思います。そんな環境が広がることで、少しは暮らしやすい市になるのではと考えています」と過去の経験があったことを明かしました。
全国的には神奈川県横浜市や東京都渋谷区などが性的マイノリティー支援事業をおこなっていますが、国内ではまだまだ不足しているのが現状です。
公職に選ばれたトランス女性の例としては、1999年にニュージーランドの国会議員として、ジョージナ・ベイアーさんが世界初。
国内では上川あやさんが、トランスジェンダーの女性であることを公表して初めて当選しました。2003年に東京都世田谷区議会議員に初当選して以来、現在4期目の現職議員である上川さんも「FTMの方の公選者は初。ご活躍を」とお祝いのコメントをしました。
現在、国内で自らが性的マイノリティーであると公表している現職議員は、男性同性愛者で東京都中野区議の石坂わたるさんや、豊島区議の石川大我さんがいます。
入間市のある埼玉県では2月に、さいたま市と所沢市で性的マイノリティーに関する市民講座が開催されたばかり。今後は細田市議の活躍に加えて、埼玉県全体での動きにも注目です。
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