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4月5日現在、学術情報検索サービス「CiNii(サイニィ)」が、電子化された論文の多くを閲覧できない状況になっています。Twitterでは学生や研究者が戸惑いを見せており、トレンドワードにも上がっています。
同サービスは、論文などの学術情報を検索できるデータベース。運営する国立情報学研究所(NII)は1997年以降、論文をPDF形式で電子化しサイト内で公開する電子図書館事業(NII-ELS)を進めてきました。
今回の閲覧機能停止は、唐突に始まった措置ではありません。2014年、国は論文の電子化支援を、科学技術振興機構の「J-STAGE」に一本化するよう方針転換。これに伴い、2017年3月でNII-ELSが終了することも決定していました。
NIIは終了までのスケジュールを示し、各学会へCiNiiへの掲載論文をJ-STAGEへ移行することを推奨。2014年8月より移行作業を受け付けていました。しかし移行作業が完了する前に論文提供サービスが終了したため、今回の混乱を招いたようです。
混乱する声を受けて、CiNiiの公式Twitterはあらためて状況を説明。「論文PDF提供サービスの終了と他機関への移行作業のため、現在アクセスできないファイルが多数存在しています」とコメントしています。
論文の検索サービスは今後も継続され、移行が完了した論文はJ-STAGEへのリンク経由で閲覧可能。なお、CiNiiは論文の本文そのものを提供するのではなく、ユーザーの発見をサポートするサービスとしてリニューアルされるとのことです。
(沓澤真二)
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