現実にはありえないような虚構記事を掲載するサイト「虚構新聞」が、2015年2月17日に公開した記事「日本の『謙虚』、海外アピールに200億計上」について「一部現実化してしまった」と謝罪しました。
記事では、日本独特の価値観を積極的に海外発信するプロジェクトが、政府により発足したと報道。「謙虚」「奥ゆかしさ」などについて解説する各国語版の小冊子を制作し、600万部無料配布するなどの施策が実施されるほか、このために200億円の予算が計上されるとしていました。もちろん、これは全て虚構として書かれたもの。
しかし、公開から約2年後の2017年3月、経産省が「日本の『感性』や『価値観』を国内外に発信する」目的で「世界が驚くニッポン!」と題したコンセプトブックを発表。「自然との同化感覚が、自然の恵みに感謝し、謙虚であろうとする道徳、倫理観にもつながっている」と謙虚さについて取り上げていました。
その他にも、同冊子を「電子書籍として無償配付することも検討」とされたり、平成29年度予算で「クールジャパン機構」に210億円の出資等資金供給が計上されたりと、記事内容に類似した政策がいくつも現実化してしまったため、虚構新聞は「おおむね誤報」という判断に至ったそうです。同メディアは「『謙虚』や『奥ゆかしさ』を海外に向けて積極的にアピールするという、初歩的な矛盾」とコメントしており、このような事態が本当に起こるとは予想していなかったもよう。
2015年10月の「シャープ、゜の売却を検討」以来、1年半ぶりの誤報(関連記事)。虚構新聞は、絶対に嘘しか書かないと信頼している読者に対して「この度の誤報でご迷惑おかけしたことを改めておわびします」と謝罪。再発防止策として「入念な調査に基づくこれまで以上に現実離れした政策を報道するよう社内の周知徹底」が行われるとのこと。また、社主UKは今回の一件により、本社ビル地下3階の地下牢で2日間ゲーム禁止、おやつ抜きの処分となりました。
(マッハ・キショ松)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 京急の車掌がホーム置き去りに ダッシュで次の駅で追いつく 京急「駅間が短いので走ることに」
ネットでは「鉄腕DASHの企画みたい」などの声も。 - 「シャープが゜を売却してシャーフに」のウソニュースにシャープ公式が全力反応 虚構新聞がやっぱり謝罪文を掲載
もはや様式美。 - 虚構新聞が「シャープが半濁点(゜)を売却」とウソ報道 早速シャープ公式が「シャーフ株式会社」に名称変更
これは謝罪ですね、間違いない。 - 虚構新聞「フジテレビ専用リモコン」記事で謝罪 「すでに同様の製品存在する」と指摘多数
記事掲載後25分と、過去最短記録での誤報発覚でした。 - 虚構新聞「ウィキペディア書籍化」記事でお詫び 「虚構記事が現実化してしまった」
2012年に掲載した「ウィペディアが書籍化 全2万3千巻で出版へ」という記事が原因で。