「陽」の影が「陰」に!? 見方を変えると意味も変わる「アンビグラム」文字が匠の技

陽は陰で陰は陽。奥が深い……。

[沓澤真二，ねとらぼ]

　見た目は「陽」の文字なのに、光を当てると「陰」の文字が浮かび上がる――そんな不思議な文字板がTwitterで注目を集めています。「陽」の影が「陰」になるとは、粋な演出ですね。

　「アンビグラム」と呼ばれるデザイン手法による作品。語句を一形式だけでなく異なる方向からも読み取れるよう仕掛けた、グラフィカルな文字を指します。この「陽」はところどころに切り欠きを入れることで、上下を反転したとき「陰」と読める形に。そのため影の形も「陰」になるわけです。

作品の原型（作者である野村一晟さんのTwitterより）

　作者はアンビグラムや肖像画などを手がける作家の野村一晟さん（@IsseiNomura）。「陽」は2013年の作品ですが、これを用いたポストカードの購入者がTwitterで紹介したところ、多くに広まることに。反響の大きさに、作者自身も驚きを隠せないようです。

　野村さんは自身のSNSやイベントで多くの作品を公開中。「こども」が「げんき」になったり、シンプルな「あいしてる」が熱烈なメッセージになったりと、見方を変えることで込められた別のメッセージが浮かび上がります。

こどもの日に投稿された作品

逆さにすると「げんき」に。子どもにはそうあってほしい願いが込められています（野村さんのTwitterより）

それぞれ微妙に異なる形で描かれた、6つの「あいしてる」（野村さんのTwitterより）

逆さでは「だれよりも こころから えいえんに くるうほど いつまでも これからも」（野村さんのTwitterより）

（沓澤真二）