漫画違法サイト「フリーブックス」、出版社が連携して法的措置を進行 「移転先教えます」の詐欺行為も続出
小学館も「海賊版サイトはこれを利用すること自体、著作権を侵害する違法行為に当たります」と注意を呼びかけ。
5月3日に閉鎖した投稿サイト「Free Books(フリーブックス)」に対し、以前より小学館や講談社といった大手出版社が連携して、法的手続きを含む対応の準備を進めていたことが分かりました。出版社側は今後もフリーブックス側の動向を注視するとともに、こうした海賊版サイトを利用すること自体違法行為に当たるとして、ユーザーに注意を呼びかけています。
フリーブックスは自作の電子書籍をアップロードして無料公開するサイトとして昨年オープン。しかし実際は、出版社の漫画や写真集といった著作物を無断でアップロードし、利用者も無料で読み続ける、犯罪の温床と化していました。一部報道によると、無断公開されたとみられる作品は最終的に5万点に達していたとされています。
4月末からネットで大きく問題視され始め、5月3日にサイトがトップページで閉鎖を報告(関連記事)。小学館広報部に取材したところ、「フリーブックスについては非常に悪質な海賊版サイトとしてほかの出版社との連携の上、従前より刑事・民事両面からの法的手続きを含む、対応の準備を進めてきました」と、水面下で複数の出版社で対応に動いていたことを明らかにしました。
「サイトは閉鎖されましたが、今後の動向を注視するとともに、ほかの海賊版サイトを含め、著作権侵害に対しては厳しく対応してまいります。言うまでもなく海賊版サイトはこれを利用すること自体、著作権を侵害する違法行為に当たりますので、ユーザーにも利用しないよう呼びかけてまいります」(小学館広報部)
一方Twitterでは、フリーブックスに関連した詐欺行為も現れ始めています。「フリーブックスの移転先のURLを○円で教えます」など、フリーブックスが新しいURLで運営されていることを装って、入金やTwitterのフォローを求める行為です。詐欺が許されないのはもちろんですが、「教えてください」と返事するユーザーも多数。水面下で海賊版サイトを利用する人がどれだけ多いかを浮き彫りにした、憂うべき光景が広がっています。
フリーブックスは運営会社や管理人を公表していません。運営者が特定されたかどうかは、現在出版社側に確認中です。
(黒木貴啓)
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GDCであったちょっと良い話。