話した言葉を翻訳し、さらにその人の声のまま別の言語で再生する技術「BabelOn」が、クラウドファンディングサイトIndiegogoにて資金を募っています。これが実用化されれば、世界中のテレビ番組を吹き替えで見られるかも?
説明によるとBabelOnは、特許取得済みの音声・言語合成技術を使ったリアルタイムの翻訳音声再生技術で、さらにそれぞれの人の声の個性を再現可能だとしています。使用される場として、俳優の声をそのまま吹き替え音声として使える映画や、ミュージシャンの声が他の言語で再生される音楽など、未来的な例が挙げられています。
仕組みとしては、声をさまざまな言語に変換して映像などに合成するソフトウェアの他、それぞれの人が読み上げる声をキャプチャーするハードウェアでできていて、BLIP(BabelOn Language Information Profile)と呼ぶ個人のさまざまな感情の声をサンプリングしたデータを使用。これには視覚的な情報も含まれ、顔の動きなども吹き替えの際に参考にされるとのことです。
なお、BLIPのデータはその個人によって管理でき、詐欺などに使われないよう高度な安全技術で保管されるとしています。
初期段階では英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語、北京語、日本語、ヒンディー語に絞って開発が進められ、その後は使われているすべての言語に加え、現在絶滅の危機にある言語の研究・保存も行われる予定です。
それぞれの製作現場や業界向けの技術ですが、今回の一般向けの支援募集では11ドル(約1200円)から支援コースが選べ、「BabelOnを使った最初の曲のMP3」やオリジナルの「声紋Tシャツ」など不思議な特典に、開発の進歩状況を知らせるニュースレターが届く特典が用意されています。
(宮原れい)
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