「星のカービィ」ひかわ博一先生断筆の理由が、漫画「カメントツの漫画ならず道」で明らかに 反響受けてWeb版を前倒し掲載
連載終了から10年以上たって、本人の口から本当の終了理由が明かされました。
かつて「月刊コロコロコミック」「別冊コロコロコミック」で連載され、予告なしで突然終了してしまった、ひかわ博一先生の漫画「星のカービィ デデデでプププなものがたり(デデププ)」。その終了の真相が、ゲッサン連載「カメントツの漫画ならず道」の中で明かされ、大きな反響を呼んでいます。カメントツ先生は6月27日、反響を受けて、ゲッサン編集部と相談し、話題になっていた「第12話」を「サンデーうぇぶり」で無料公開したと発表しました。
「漫画ならず道」は、漫画家のカメントツ先生が、漫画業界のさまざまな現場をレポートするというルポ漫画。第12話では、なぜ当時人気だった「デデププ」が突然終了してしまったのか、ネットのウワサについてひかわ先生本人に直接確かめる――という内容でした。
「デデププ」を巡っては以前から、ネット上では「担当編集から心無い言葉を浴びせられ、うつ病になったことで絵柄も変わってしまい、最終的には本人もボロボロになり筆を折った」――といったウワサがささやかれていました。しかし、カメントツ先生が直接そのことを尋ねると、ひかわ先生は「ウソですね」「なんであんな噂が立ったのか自分でも本当によくわからないんですよね」と驚くほどあっさりとこれを否定。ネットのウワサについては把握しており、否定したこともありましたが、「やっぱりみんなセンセーショナルなほうを信じちゃうんですよね…」とも語りました。
しかし、それならなぜ突然「デデププ」は終わってしまったのか。ここから一気に漫画のトーンが変わり、ひかわ先生の口から次々と衝撃の過去が語られていきます。
ひかわ先生によれば、単行本10巻あたりから漫画に対するモチベーションがどんどん落ちていき、ペン入れができなくなってしまったとのこと。それでもなんとか連載を続けていられたのは、途中から作画作業のほとんどを1人のアシスタントに丸投げしていたからで、「本来なら作画と作話で別名義にする仕事量にもかかわらず…それを自分の作品ということにして世に出していました」とひかわ先生。やがてそのアシスタントも辞めてしまい、いったんは自身による作画を再開しますが、精神的にも追い詰められ、作風もどんどん暗くなっていき、とうとう2006年11月号を最後に筆を折ってしまったそうです。
自分のことを「僕はそういう最低の人間なんですよ」「いっそ僕のことなんて忘れてほしい」と語るひかわ先生に、「もう…本当に言葉が何も出てこなかった」とカメントツ先生。「担当編集から心無い言葉を浴びせられた」というウワサこそ否定されましたが、代わりに本人の口から語られたのは、同じ漫画家であるカメントツ先生にとっても、あまりにも重い述懐でした。
ゲッサン編集部によると、「カメントツの漫画ならず道」は通常、ゲッサン本誌から2カ月遅れで「サンデーうぇぶり」に掲載していましたが、今回はカメントツ先生の希望で、通常よりも前倒しで無料公開することにしたそうです。またカメントツ先生のツイートによると、「ある特定のまとめサイトに誤解をまねく転載をされてしまいひかわ先生を小学館側が打ち切ったような情報が拡散されてしまったのも一つの理由」とのこと。
「カメントツの漫画ならず道」はゲッサン本誌および「サンデーうぇぶり」にて連載中。現在、単行本第1巻も販売中です。
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デビューから45年、常に第一線で連載を続けてきました。