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トランプの4枚のキング、実は全員モデルがいるって知ってた?

ただの髭のおじさんではない。

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 2017年はトランプ旋風が吹き荒れる一年ですね。筆者も流行に乗って最近はトランプを楽しんでいます。もちろん米国大統領ではなく、ポーカーとかブラックジャックとかに使う方ですけど。

 というわけで、今回はトランプの絵札のモデルについてです。そもそも、トランプの絵札にはモデルがいるって知ってました?

日本と海外での「トランプ」の違い

 日本では「トランプ」と呼ばれているこの52枚のカードですが、実は外国では「トランプ」といっても通じません。

 英語でこのカードのことを「playing cards」、あるいは単に「cards」と言います。

 では、「トランプ(trump)」は何を指すのかというと、これは英語で「切り札」という意味。明治時代、外国人がトランプで遊んでいるときに「切り札」の意味で「トランプ」と言っているのを日本人が聞き、このカードゲームの名前自体を「トランプ」と誤解したのがきっかけと考えられています。

 ちなみにこの「trump」という英語は、「勝利」という意味の英語「triumph(トライアンフ)」が語源です。日本では下着メーカーの「トリンプ」として聞くのがなじみ深い単語でしょうか。(これはスイスに本社を置くTRIUMPHが日本に進出した時に、日本人になじみやすいような読みに変えたのが由来)

トランプのモデルについて

 最初に書いた通り、トランプの絵札にはそれぞれモデルがいます。これは16世紀ごろのフランスで絵札にそれぞれ伝説上の偉人をあてはめたのが由来とされています。特に各スートのキングに選ばれているのは「王」の名にふさわしい偉人! 以下に紹介します。

スペードのキング。唯一右側を向いている

 スペードのキングの由来となったのはダビデ王〔紀元前1040年-紀元前961年頃〕。旧約聖書に登場する古代イスラエルの王です。息子に、魔術を使ったという伝説が残るソロモン王を持ちます。

 王になる前、戦士として活躍していた時期の逸話に「巨人ゴリアテを一石を投げて倒す」というものがあります。イスラエル人と対立していたペリシテ人の巨人ゴリアテとの戦いに臨む際に、ダビデは5つの石と投石器、それと羊飼いの武器である杖(つえ)だけをもって挑みます。

 ゴリアテは彼を侮りますが、ダビデが石を彼の額に命中させると昏倒。最後はダビデがゴリアテ自身の剣で首を切ってとどめをさします。このときの情景を描いたのが、ミケランジェロの名高い『ダビデ像』です。この逸話から、スペードのキングが持つ剣は「ゴリアテの剣」といわれます。

クラブのキング。実はあまり特徴がない

 クラブのキングのモデルとなったのはアレキサンダー大王〔紀元前356年-紀元前323年〕。マケドニアの王として各地を征服し、一大領土を築いた人物です。

 若いころはアリストテレスに家庭教師として英才教育を受け、また初陣となったカイロネイアの戦い(マケドニアとアテナイ・テーバイの戦い)でもマケドニアの勝利に貢献し、知と武の双方で豊富な経験を積みました。

 父フィリッポス2世が暗殺されるとアレキサンダーはマケドニア王に即位し、ギリシア全土を統一します。

 ギリシアを統一したアレキサンダーは世界の征服をもくろみ、東方遠征へと旅立ちます。グラニゴス川の戦い→イッソスの戦い→アルベラの戦い→ガウガメラの戦いと連戦連勝でペルシア軍を打ち破り続け、紀元前330年にはペルシアの都ペルセポリスまで到達しペルシアを滅亡させます。

 その後インドまで侵攻を進めますが、部下の疲労を理由に退却を望む声が強くなり、ここで本国に引き返します。

ダイヤのキング。唯一顔が横を向いている

 ダイヤのキングのモデルはユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)〔紀元前100年-紀元前44年〕。共和制ローマ時代の政治家であり、「賽は投げられた」や「来た、見た、勝った」といった名言でも知られます。

 ダイヤのキングの2つの特徴は、4人のキングのうち、唯一武器として斧(おの)を持っており、また唯一顔が横を向いていることです。

 この斧は「ファスケス」と呼ばれる斧で、古代ローマにおいて、執政官(コンスル)の権威の象徴として使用されていました。

 ファスケスについて1つトリビアを補足しますと、「ファスケス」はイタリア語読みでは「ファッショ」となり、独裁者ムッソリーニが結成した「ファシスト党」や、それに由来する「ファシズム」の語源となっています。

 顔が横を向いていることについてはいくつかの説がありますが、有力な説としては「カエサルの唯一残っている肖像が、古代ローマのコインに描かれた横向きのものであった」ことが挙げられます。

 ほかには「金への執着を表すためダイヤのほうを向いている」という説や、「横にいるクレオパトラを見つめている」なんていう説もあったりします。

ハートのキング。口ひげがない

 ハートのキングのモデルはカール大帝(シャルルマーニュ)〔742年-814年〕。フランク王国・カロリング朝全盛期の王です。

 フランク王国は西ローマ帝国の滅亡後、その跡地にできた王国です。カール大帝はヨーロッパ全土へと遠征して各地を征服し、領土が最も大きかった時期には西ヨーロッパのほぼ全域を支配するまでに至りました。

 800年にはローマ教皇レオ3世がカール大帝にローマ帝国皇帝の冠を授け、「西ローマ帝国の復活」を宣言しました。

 さて、このハートのキングの特徴は「口ひげがない」ことです。

 かつてトランプの絵柄は版画で刷られていたのですが、木彫りの職人がある時のみを滑らせて、口ひげの部分をそり落としてしまったのがきっかけで、今日までそのミスが残りハートのキングには口ひげがないのであると伝えられています。


 その他にも、クイーンやジャックにもそれぞれモデルがいます。

 例えばスペードのクイーンのモデルがオリンポス12神の1柱パラス・アテナだったり、クローバーのジャックのモデルが円卓の騎士の1人ランスロットだったりね。

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