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イラストを勝手に健康サプリの広告に使われた――イラストレーターがTwitterで訴え 悪質管理者に賠償請求へ

迷惑すぎる……。

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 知らない間に自分のイラストが健康サプリの広告に使われていた――漫画家・イラストレーターのナカシマ723さんがTwitterで被害を訴えています。

イラストを勝手に健康サプリの広告に使われた――イラストレーターがTwitterで訴え Twitterプロモーションなどにも勝手に使われてしまっていた(画像はナカシマさんが保存していたスクリーンショットより)

 無断利用されたイラストはナカシマさんが2014年〜2015年にTwitterに投稿したもの。2015年に投稿された「効率よく割れる腹筋のきたえ方」というイラストは、手軽にできる腹筋運動を図説し話題になりました。今回盗用があった広告記事では、まずナカシマさんのイラストが文頭に配置され、エクササイズを紹介する記事と思わせておきながら、最後まで読むと健康サプリの販売ページに誘導されるという悪質なもの。ナカシマさんのイラストは記事以外にも、TwitterのプロモーションツイートやYahoo!広告のバナーなどとして表示され、同記事への誘導役として利用されていました。

イラストを勝手に健康サプリの広告に使われた――イラストレーターがTwitterで訴え 記事の冒頭でイラストを無断転載。エクササイズを紹介する記事という印象を与えるが……(画像はarchive.isより
イラストを勝手に健康サプリの広告に使われた――イラストレーターがTwitterで訴え 読み進めていくと次第に胡散臭い文言が増えていき……
イラストを勝手に健康サプリの広告に使われた――イラストレーターがTwitterで訴え 最終的に健康サプリの公式通販サイトに誘導される

 上記の例以外にも、同一のイラストが健康グッズの紹介記事に無断利用されたケースや、ナカシマさんによる「アニメのキャラデザにおける巨乳顔/貧乳顔の傾向」をまとめたイラストが、疑似科学を交えたバストアップ用品紹介記事に盗用されたケースも確認されています。


 意図しないイラストの使われ方に対し、ナカシマさんはTwitter上で「人のコンプレックスを刺激する系広告にイラスト無断利用されるの、考えうる限りほぼ最悪のケースなので前向きに滅ぼしていきたいです」と憤りをにじませるツイートを投稿。ところがそのツイートすらも、件の悪質プロモツイートと並んで表示されているとフォロワーから報告が寄せられるなど、一時は拡散が続いてしまっている状況でした。


 上記の記事内でイラストが無断使用されていたのは、少なくとも7月28日〜7月31日までの3日間。ナカシマさんはフォロワーからのDMで無断利用の事実を知り、各種サービスの通報フォームなどから広告の取り下げを依頼。現在少なくともTwitterのプロモツイートからは取り下げられ、該当記事も削除済みとなっています。今後ナカシマさんは、意図しない形でイラストを使用されたことにより著作権及び著作者人格権を侵害されたとして、権利侵害サイトに対し損害賠償および慰謝料の請求を行っていく予定です。


悪質広告を作ったのは何者なのか

 今回の違法な広告記事はなぜ生まれてしまったのでしょうか。

 ナカシマさんは直接記事を作成した人物(アフィリエイター)を問題視しています。しかしこの人物について現時点で分かっているのは、サイト内にあった「Trend-One」「style1」といったクレジット表記のみ。これらの管理者が個人なのか法人なのかも分かっていません。しかし問題のサイトに埋め込まれていたアフィリエイトコードを辿り、広告配信に利用されたASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)までは判明しています。

 ASPとは企業などから依頼を受けて、この手の広告をSNSやブログなどに配信している仲介業者のこと。ねとらぼではナカシマさんに提供いただいた情報を元に、同広告の仲介役だったASPの運営会社と、広告主のサプリ販売会社に取材しました。

イラストを勝手に健康サプリの広告に使われた――イラストレーターがTwitterで訴え ASPを活用したサービス利用イメージ。今回のケースでは、「アフィリエイター」が違法な記事を作成していた

 ASP運営会社の広報によると、同社ではナカシマさんからの問い合わせにより問題は認識しているものの、今後の対応などの詳細については明かせないとのことでした。

 サプリ販売会社の方は、ねとらぼの取材により初めて問題を知ったという様子。広告を作成した者との関係を尋ねると、「広告はASPを通じて表示されているもので、個別の媒体とやりとりはありません」との説明でした。また、Web上の個々の紹介記事については、「掲載後にチェックしていますが、どんどん増える状況にありますので、実際のところリアルタイムで確認が追い付かない部分もあります」とのことでした。

 ナカシマさんは仲介を行ったASPを通じて、権利侵害サイト管理者に請求を行っていく方針。守秘契約等の理由によりASP側が管理者の情報を明かさないという立場を取った場合には、ASP側に請求を行うことも検討しているそうです。

 こうしたケースでは被害者は黙って泣き寝入りという場合も多いだけに、Twitter上ではナカシマさんを応援する声が目立っています。今後の動向に注目が集まります。

画像/取材協力:ナカシマ723(@nakashima723)さん

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