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コラム

千手観音、腕1000本無い説

ぱっと見100本あるか微妙。

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 観光や修学旅行の定番の行き先である、京都。長い歴史をもつ古都には、多くの寺社仏閣が目白押しです。中でも、1000体の千手観音像が並ぶ三十三間堂は特に有名ですね。その神々しさに圧巻されたあと、ふと思います。

 「……本当に1000体もいたんだろうか?」

 これはおおよそ本当です。三十三間堂には1001体の千手観音像があるとされています。ただし実際には、何体かは東京国立博物館などの博物館に寄託されているとのこと。正確には1000体ちょうどには足りないようです。

 では、同時に湧くこの疑問はどうでしょう?

 「……本当に1000本も腕があるんだろうか?」

 この疑問を解消するのは簡単です。少し立ち止まって数えてみれば良いのです。すると、たった(?)42本しかないことがすぐ分かります。

 実は「千手観音像」と呼ばれる像は、42本の腕を持つのが一般的です。これは、合掌している2本以外の40本で、それぞれ天国から地獄までの25の世界を救うので、25×40=1000なのだ、という説明がよくなされます。

 では、当然湧くのが次の疑問。

 「腕が1000本ある千手観音像は無いの?」

 42本でも圧巻なのに、1000本も腕がある像があるわけないだろ……と思うかもしれませんが、あるんです!


葛井寺の本尊・十一面千手千眼観世音菩薩(葛井寺公式Webサイトより)

 大阪・葛井寺(ふじいでら)の十一面千手千眼観世音菩薩(国宝)には1043本と、なんと1000本超えの腕が! 油断したら絡まってしまいそう。全部の腕と握手するとしたら、1本あたり1秒としても20分近くかかってしまいます(?)。

 さらに、奈良・唐招提寺にも「953手観音像」がいらっしゃいます。近畿地方に旅行に行く際には、千手観音像めぐりをしてみては?

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