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砂浜に埋められた“炭”で小2男子が両足をやけど 「二度と同じ事故が起きて欲しくない」と家族・旅館が注意喚起

砂浜に炭を埋めるのは絶対にやめてください。

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 8月16日15時30分ごろ、砂浜で遊んでいた小学2年生の男の子が、浜辺に放置されていたバーベキュー用の炭を踏み、両足の裏をやけどする事故がありました。男の子の家族と男の子が宿泊した温泉旅館が「もう二度と同じ事故が起きて欲しくない」と事故を公表。編集部の取材に応じました。


積丹 北海道 海 事故 炭 事故によりけがを負った男の子の足。両足に痛々しく包帯が巻かれている

 事故があったのは、透き通るような海の美しさから「積丹ブルー」とも呼ばれる北海道積丹郡(しゃこたんぐん)浜西河の砂浜。北海道千歳市に住む小学2年生の男の子は、家族らとともに積丹郡に訪れていましたが、当日予定されていた船釣りがしけで中止になったことから、砂浜で遊んでいました。


積丹 北海道 海 事故 炭 事故のあった海岸は「積丹ブルー」と呼ばれる美しい場所

 当初男の子はビーチサンダルを履いていましたが、水際で遊んでいた際にはだしとなり、その後砂浜を歩いていたところ「ギャーッ」という叫び声をあげて泣き出したとのこと。近くにいた父親が男の子の両足の裏にやけどを確認しました。

 原因は火がついたまま放置されたバーベキュー用の炭。すぐさま足裏を冷やすなどの応急処置が行われましたが、症状は快方に向かわず、男の子の顔色も悪くなってきたため、救急車で搬送され、病院で治療を受けました。

 今回の痛ましい事故について旅館側は、家族の了承を得たうえで「二度とこうした事故があってはならない」と、Facebook上で事故の発生を報告。痛々しく包帯が巻かれた男の子の両足の写真を添付して注意喚起を行ったところ、大きな反響を呼んでいます。

男の子の家族が語る事故の状況

 今回、男の子の家族が「注意喚起になるのであれば協力したい」と編集部の取材に応じ、事故発生の状況を語りました。

 家族によると「火のついた炭は砂をかぶせて故意に隠したように放置されており、(男の子は)炭に気が付かないまま踏んでしまった」とのこと。

 事故によりかかと、土踏まずを除く両足裏全体のやけどを負った男の子ですが、救急搬送後に病院で治療を受けた後はなんとか元気を取り戻し、当日中に旅館へ戻ることができました。

 現在も毎日病院に通院している他、水泡が潰れるなどして痛い思いをしているといい「『炭』という言葉を聞くと思いだすのでいやだ。炭を見るのも怖いし、家族以外の人とやるバーベキューも怖い」とのこと。しかし幸い「海で遊んだことや旅館に泊まれたのは楽しかった」と話しているとのこと。


積丹 北海道 海 事故 炭 男の子が遊んだ海岸

 家族は「今回は旅館の方が、すぐに氷水で冷やしてくださったことや、救急車を呼んでくださったことで重症化を防ぐことができ、感謝しています。病院でも『氷水で冷やしたのがよかった』と言われました」と応急処置の重要性について触れつつ、「二度とこういう事故があってほしくない」と強く願っていると語りました。

温泉旅館・北都の話

 今回事故にあった男の子とその家族が宿泊し、いち早く応急処置などを行った温泉旅館「北都(ほくと)」の担当者も取材に応じました。

 担当者によると、北海道では短い夏を楽しもうと今回事故のあった砂浜だけでなく、あちこちの海水浴場や海辺でレジャー客たちがテントを張ったりバーベキューを楽しんでいるとのこと。しかし、中には火のついたままの炭や、たき火の残骸を砂浜に埋めてしまったり、その場に放置する人がいるといいます。


積丹 北海道 海 事故 炭 事故後、3日経った海岸(8月19日撮影)

積丹 北海道 海 事故 炭 またもバーベキューの跡が残されている(8月19日撮影)

 担当者は「炭はいくら放置しても砂に戻ることはなく、砂浜を汚せば、その汚れ(炭)は永遠にその場所に残ってしまうし、埋めたところで炭の火は消えない」と話し、「きちんと後始末をしていただかないと困る」と憤りをみせます。

 またこの海岸は、北都が管理するものではないものの、10月末ごろから浜のクリーンアップを目的としたボランティア活動を予定していた矢先の事故であったということも明かし、「積丹ブルーと呼ばれる海とお客さまの安全を守るためにも、これから清掃活動を頑張りたい」と話しました。


積丹 北海道 海 事故 炭 場所によってはゴミが散乱しているところも(8月19日撮影)

積丹 北海道 海 事故 炭 中には北海道の名物・トウモロコシの芯も(8月19日撮影)

たかがゴミ、されどゴミ

 今回の事故は非常に痛ましいものですが、実は砂浜などでのゴミを原因とする小さなケガや事故はたびたび発生しており、中には不始末が原因で一生体に残る傷を抱えてしまうということもあります。

 もし炭を使うことがあれば、「その場に炭を放置しない」「炭を埋めない(炭は埋めても火種は消せない)」「熱いままの炭に水をかけない(水蒸気が発生して炭が割れ、破片が飛び散る危険性がある)」を必ず守り、火消しつぼなどを使って完全に鎮火させてから、炭を含む全てのゴミを持ち帰るようにしましょう。

 このような痛ましい事故を二度と繰り返してはいけません。

画像提供:温泉旅館・北都・一部加工は編集部によるもの

(Kikka)

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